《総選挙・注目選挙区を予測》橋本龍太郎・元首相の息子、安倍晋三・元首相の甥は苦戦の見通し 「反高市」の武田良太氏は維新現職と与党同士の潰し合いに

伝家の宝刀が抜かれる。高市早苗・首相は来る通常国会冒頭で衆院解散に踏み切る構えだ。根回しなしの”大博打”に、与野党で動揺が広がっている。高い支持率を頼りに単独過半数復活を狙う高市氏の目論見通りになるのか。本誌・週刊ポストは選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力のもと、全289の小選挙区の情勢を詳細に分析。各党が獲得する議席を予測すると、政権枠組みさえ変わりうる衝撃の結果となった。注目選挙区の趨勢を見てみよう。
首相たち息子や甥も苦戦も苦戦の見通し
■岡山4区/”総理の2世”の復活に高い壁
保守地盤が強い中国ブロックでは自民党の大物ジュニアが苦戦中だ。
まず、橋本岳氏は父の橋本龍太郎元首相から地盤を継いだが、自見英子・元万博相との不倫報道(その後結婚)が批判され、前回は比例復活もできずに落選した。
「立憲の柚木道義氏と毎回激戦を展開しており、今回も苦戦の見通し」(以下、「」のコメントは野上氏)
■山口2区/「安倍の甥」が公明票離反で大苦戦
伯父が安倍晋三・元首相、曾祖父が岸信介・元首相という政界サラブレッドの岸信千世氏だが、前回は公明党の推薦を受けて約1700票差でなんとか当選。
「公明と立憲の選挙協力が実現して公明票が立憲の平岡秀夫氏に乗れば、一気に逆転される可能性がある」
■広島3区/公明代表が直面した危機
公明党の斉藤鉄夫・代表は自民党の協力がなければ当選は厳しい情勢に。
「高市首相は連立離脱の際に斉藤代表から後ろ足で砂を掛けられるかたちとなった。自民県連は前回、比例単独で当選した現職を広島3区支部長とするよう求めている。高市首相が斉藤氏に対立候補を正式に立てるか注目され、代表が選挙区落選となれば、公明党が小選挙区への候補擁立をやめて比例政党への道を選ぶきっかけになるのではとの見方が広がった」
それが立憲との新党結成を視野に入れ、今回の総選挙で公明が小選挙区から撤退という話が出る流れにつながったわけだ。
■福岡11区/「反高市」の大物復活へ険しい道
前回は裏金批判のなか選挙に臨み、維新候補にまさかの敗北、復権を目指す自民の大物が武田良太・元総務相だ。2024年総裁選で石破逆転勝利の原動力となり、自民党で”反高市”の1人と見られている。
その武田氏に立ちはだかるのが高市自民と連立を組む維新現職。与党同士の潰し合いになる。
「高市内閣の支持率は高いが、自民党支持率が回復しているわけではない。高市首相と距離のある印象が定着した武田氏が、自民公認を得たからといってどこまで票を取り戻せるかは見通せない部分もある」
「解散は総理にとって孤独な決断」といわれる。1人で冒頭解散を決断し、選挙戦も1人で担う高市首相が賭けに勝って自民党に衆院過半数をもたらせば、党内で強力な権力を握る。後ろ盾とされる麻生副総裁にすら頼らない高市政治が始まることになる。一世一代の大博打に審判が下る日は近い。
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※週刊ポスト2026年1月30日号