高市首相の冒頭解散に乗じて大阪知事選・市長選のトリプル選挙に打って出た維新 真の狙いは「大阪全19選挙区の議席独占」、揺らぐ組織の引き締めなるか

高市早苗・首相は来る通常国会冒頭で衆院解散に踏み切る構え。根回しなしの”大博打”に、与野党で動揺が広がっている。高い支持率を頼りに単独過半数復活を狙う高市氏の目論見通りになるのか。本誌・週刊ポストは選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力のもと、全289の小選挙区の情勢を詳細に分析。各党が獲得する議席を予測すると、政権枠組みさえ変わりうる衝撃の結果となった。注目選挙区の趨勢を見てみよう。
トリプル選挙という奇策に打って出た維新の思惑
維新も高市首相の冒頭解散に合わせて思い切った賭けに出る。維新代表の吉村洋文・大阪府知事が横山英幸・大阪市長とともに辞任し、総選挙と同日に出直し知事選・市長選のトリプル選挙にする戦略だ。
「大阪都構想に再挑戦するのであれば、民主的プロセスが必要だと申し上げてきた。今、熟考している」と語った吉村氏の真の狙いは総選挙で大阪全19選挙区の議席独占にあると見られる。
維新は前回総選挙で大阪の全議席を獲得したが、その後、大阪2区の守島正氏が比例当選の2人とともに離党(維新は3人を除名)、自民党と統一会派を組んだ。また、和歌山1区で惜敗して比例で当選した林佑美氏も離党、次の総選挙には無所属で出馬すると見られているなど、組織が揺らいでいる。
「維新にとって拠点の大阪での議席独占が最重要課題だが、昨年の参院選では大阪での得票を大きく落とすなど集票力が下がっている。吉村代表が出直し知事選に自ら出馬することで、衆院選の維新の得票を伸ばし、何としても大阪の衆院全議席を独占する。そのための奇策としてトリプル選挙を考えたのでしょう」(野上氏・以下同)
吉村代表は、「自民党との選挙協力は考えていない。選挙は戦えばいい」との姿勢で、自民vs維新の激突が各地で起きる。
■大阪2区/維新離党の現職を自民が支援も
前回圧勝した守島氏が維新を離党して自民党会派入りしたことで複雑な情勢に。大阪での議席独占を狙う維新は対立候補を擁立するだろうが、自民が守島氏を支援すれば難戦か。
「大阪では公明党の連立離脱で自公の選挙協力体制が崩壊、基本的に維新とすれば戦いやすくなった。しかし、大阪2区の与党対決以外にも、公明党の候補がいる選挙区で公明と立憲が協力体制を組めば、維新と接戦になる可能性がある」
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※週刊ポスト2026年1月30日号