収賄容疑の東大教授・佐藤伸一容疑者を懲戒解雇…相次ぐ汚職事件受け藤井学長「本学のガバナンスに問題あった」

東京大学は28日、医学部や付属病院の教員による汚職事件が相次いだことを受けて記者会見を開き、藤井輝夫学長が「社会の信頼を著しく損ね、深く心よりおわびする」と謝罪した。収賄容疑で逮捕された佐藤伸一・大学院医学系研究科教授を26日付で懲戒解雇するなど、処分も発表した。
付属病院の皮膚科長だった佐藤容疑者は今月24日、一般社団法人「日本化粧品協会」との共同研究で便宜を図った見返りに高級クラブや性風俗店などで約180万円相当の接待を受けたとして、警視庁に逮捕された。26日には元特任准教授の医師も同容疑で書類送検。昨年には、付属病院の医療機器選定を巡り賄賂を受け取ったとして、医学部准教授が収賄容疑で逮捕され、在宅起訴されていた。
東大は医学系研究科長・医学部長を訓告とした。藤井学長と担当理事3人が役員報酬の一部を自主返納した。田中栄病院長は27日に引責辞任している。
藤井学長は、一連の事件について「不適切な行為を早期に気づけなかったという点では、本学全体のガバナンス(組織統治)に問題があった」と説明。再発防止に向けて、学内のチェック体制の強化や研修を通じた教職員倫理の徹底、医学部付属病院を大学付属とする組織改革などについて今年3月をめどに具体策をまとめ、実施していくとした。
東大は、世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大学」への認定を申請したが、相次ぐ不祥事や対応の不備などから認定とならず、最長1年の「継続審査」となっている。
接待、1年半で900万円超…東大調査
東大は記者会見で、外部の弁護士らでつくる検証チームによる調査結果も公表した。
接待は、「社会連携講座」の設置が承認された後の2023年2月~24年9月の約1年半にわたり、月に2~4回のペースで行われていた。場所は高級飲食店や高級クラブ、性風俗店などで、佐藤容疑者は計31件(約918万円相当)の接待への参加を認めたという。
接待の場では、協会の代表理事が大麻成分を活用した化粧品の商品化への協力を要請。佐藤容疑者はこれに応じて製品開発に向けた研究を行ったほか、大麻成分の分析施設の開設費用を追加計上し、当初3年間で計9000万円だった講座の研究費を計約2億円に倍増していたという。
研究費は協会側が負担する契約だったが、実際の支払いは100万円で、一部の費用は大学側が肩代わりしていた。調査結果では、佐藤容疑者が代表理事に強く請求しなかったのは「接待を受けていたためと思われる」とした。