来年3月19日~9月26日に横浜市で開かれる2027年国際園芸博覧会は、今月12日に開幕400日前を迎える。神奈川県が、昨年開催された大阪・関西万博の「大屋根リング」に使われた木材の活用プランを新たに発表するなど、出展内容が順次明らかになってきた。会場ボランティアの募集や会場周辺の交通渋滞対策といった準備も着々と進められ、来月には開幕1年前イベントを催して機運のさらなる醸成を図る。
60カ国・機関が参加表明
2027年国際園芸博覧会協会によると、海外からはこれまで60以上の国・機関が参加を表明し、今月6日には米国が参加契約を結んだ。米国の出展テーマは「幸せを追求」で、同国の多様な植物や公共庭園の特色を生かした展示を行う。
一方、神奈川県の出展計画は、約1600本の樹木や約8万株の花を季節ごとに植え替える屋外庭園と、屋内展示施設で構成。大屋根リングの木材は、庭園の花壇やデッキに使用する。
屋内のシアターでは、出展サブテーマである「共生社会の実現」と「持続可能な社会づくり」、「未病の改善」について映像で発信する。県内市町村のスポット展示なども行う。
また、会場内のステージで「一人ひとりの〝いのちが輝く〟」をテーマにしたオリジナルのミュージカルを上演する。黒岩祐治知事は「楽しみながら体験し、コンセプトがじわっと胸に迫ってくるような形を目指したい」と、先月28日の定例会見で話した。
「交通分散がカギ」
大阪万博でも課題となった交通対策を巡っては、会場周辺の道路混雑を緩和するため、時差通勤やテレワーク、配送事業者のルート変更などを呼びかける「交通需要マネジメント(TDM)」に取り組む。大阪万博と同様に、開幕半年前となる今年秋ごろに試験実施する方向だ。
会期中はピーク時の1日来場数を10万5千人と見込み、交通手段は公共交通42%、マイカー30%、団地バス23%と想定。会場直結の交通機関がないため、シャトルバスの発着駅や新横浜などの乗換駅、主要幹線道路の混雑が見込まれる。
横浜市と県、園芸博協会、県警、交通事業者などは昨年末に「交通円滑化推進会議」を設け、TDMの具体策を調整中。平原敏英副市長は「大阪万博とは異なり、生活や経済活動がある市街地で開催するため、交通をどう分散させるかが大きなカギ」と話す。
一方、ボランティア募集は好調にスタートした。園芸博協会が、見どころの花壇などを案内する「花・緑ガイド」を去年11月~今年1月に募った結果、約200人の枠に全国から3493人の応募が集まった。
協会は引き続き、会場内外での案内や運営サポートに当たる「運営ボランティア」(約1万人)と、花壇を手入れする「植物管理ボランティア」(約2千人)を4月末まで募っている。募集はこれが最後となる。(山沢義徳)
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2027年国際園芸博覧会 「幸せを創る明日の風景」をテーマに、花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能で幸福感が深まる社会の創造を目指す。米軍から返還された上瀬谷通信施設(横浜市瀬谷区・旭区)の跡地のうち約118ヘクタールを会場とし、有料来場者1千万人以上を目指す。
日本政府出展は、現地の地形を活用した〝令和の日本庭園〟を造り、屋内展示では温暖化などの解決に向けた「都市と農山漁村の将来像」を提案する。
横浜市は約1万3千平方メートルの区画で「里山」と「未来都市」をテーマにした屋外活動や屋内展示を行い、環境に配慮した新しい暮らし方を体験してもらう。
鹿島建設は大阪・関西万博の目玉となった「大屋根リング」の木材を使い、伝統建築の技法と最新の耐震技術を融合させたタワーを建てる。住友林業は森を散策するようなデッキスペース、三菱グループは都市化と自然の共生を表現したパビリオンを出展する。