2025年9月、福岡県中間市の住宅で81歳の交際相手の女性の首を包丁で複数回切りつけ、殺害しようとした除草作業員・石橋勝彦被告(81歳)。
被告人と被害者となった2人はそれぞれ配偶者がいたものの不倫関係にあり、事件当日は大阪への旅行に出発する予定だった。
裁判では殺人未遂事件が成立することに争いはなく、争点は量刑、石橋被告にどのような刑を科すべきかに絞られた。
2月13日の判決で、福岡地裁小倉支部は「犯行動機は非常に短絡的かつ自己中心的」「凶器の包丁は攻撃力が高い、女性の首を複数回切り付けた犯行態様は悪質」などと厳しく指摘し拘禁刑5年を言い渡した。
※この判決は前・後編で掲載しています。
裁判所「犯行動機は非常に短絡的かつ自己中心的」厳しく指摘
2月13日の判決で福岡地裁小倉支部(武林仁美裁判長)は石橋被告が犯行に至った経緯について
「石橋被告と交際相手の女性(81)にはそれぞれ配偶者がいたものの不倫関係にあり、二人は本件当日の朝に大阪への旅行に出発する予定であった」
「ところが、石橋被告は、女性から2人が使用した食器を片付けるように言われたことや、女性が石橋被告の立てた予定に従わず、食器を片付け始めた石橋被告を置いて出発しようとしたことに腹を立て、女性に謝らせるために台所から包丁を持ち出して女性がいる玄関に向かい、女性から包丁を持ってきたことをとがめられると更に腹を立て、女性の首を包丁で複数回切り付けた」
と認定。
そのうえで
「このような犯行動機は非常に短絡的かつ自己中心的なものといわざるを得ない」
と厳しく指摘した。
裁判所「凶器の包丁は攻撃力が高い、女性の首を複数回切り付けた犯行態様は悪質」判示
また、福岡地裁小倉支部は石橋被告の犯行態様について
「突発的犯行ではあるが、凶器の包丁は刃体の長さ約18.1cm、重さ約300gと攻撃力が高いものであり、そのような危険な凶器を用いて交際相手の女性(81)の首を複数回切り付けた犯行態様は悪質である」
被害結果の重大性については
「女性は加療期間約14日間の右頚部切創及び左頚部切創の傷害を負い、傷口の縫合が必要になるなど被害結果は決して軽視できない」
と判断した。
石橋被告に有利な事情も考慮 拘禁刑5年の判決
一方で、福岡地裁小倉支部は石橋被告に裁判所は被告人に有利な事情として
・石橋被告が81歳と高齢であること
・公判廷において犯行を認め、反省の弁や交際相手の女性(81)との関係を断つ旨述べていること
・石橋被告が女性宅の近隣にある本件当時の住居に戻らない予定であること
・石橋被告の息子が被告人の監督を誓約していること
などを考慮。
石橋被告に拘禁刑5年の判決を言い渡した。
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