【解説】「国民会議」高市首相の狙いは 野党は様子見…後乗りも?

消費減税や給付付き税額控除の制度設計を議論する「国民会議」の初会合が26日に行われます。この初回の会議のオモテとウラ側について、政治部官邸担当の渡邊翔記者の解説です。
――まず、オモテの動きですが、初回の会議に参加するのは、与党の自民・維新、野党からはチームみらいの3党になりました。
そもそも高市首相は、国民会議への参加をよびかける対象について、高市首相が本丸と位置づける給付付き税額控除の仕組みに賛同する党としていました。なので今回、野党では、中道改革連合と国民民主党、チームみらいに声をかけました。
チームみらいは各党の中で唯一、消費減税には慎重なスタンスですが、高市首相は給付付き税額控除の制度設計にはデジタル技術の活用が不可欠だと考え、関係者によると自ら安野党首に連絡して参加を打診しました。
ただ現状、参加を表明したのはみらいだけ。中道と国民はいずれも、26日の会議には参加しない意向を表明しました。
――足並みがそろわない中でも会議をスタートさせることにしたのはなぜなのでしょうか?
そこがウラ側です。与党プラスみらいの3党だけでも議論を始めることで、参加を迷っている中道と国民に「後乗り」してもらえるのでは、という思惑があるんです。
ある政府高官は、「船はもう先に出発してしまう。会議は始まってしまうということだ」と語っていますが、「公約に消費減税や給付付き税額控除を掲げていたのに、本当に議論に乗らなくていいの?」というメッセージなんです。
高市首相も周辺に対し、「初回に参加していない党は後日からでも参加してもらえれば。とにかく急ぐ」と話しています。
高市首相の描くスケジュールは、夏前には消費減税などの制度設計の概要をとりまとめ、来年度中に消費減税を実施したいというもの。詰めるべき課題は山ほどある中、スピーディーに目玉公約を実現するために、野党側に「踏み絵」を迫っている、ということなんです。
――そういった中で、中道と国民が後から国民会議に参加する可能性はあるのでしょうか。
両党とも、党内には賛否両論あります。
参加すべきという意見は「議論のテーブルにつくことが何より大事だ」というもの。一方、両党の複数の幹部が「自民党内にも消費減税に慎重な意見が根強い。もし国民会議で消費減税が実現しなかった場合、野党のせいにされる可能性がある」と懸念を示しています。
そこで中道幹部によりますと、中道は国民会議への参加の条件として、「消費減税を必ずやる確約」などを求めているということです。
ただ、2党抜きで会議がスタートする中、中道の幹部は「未来永劫(えいごう)参加しないとまでは言うつもりはない」と話していますし、国民も幹部が「会議の議論のあり方や有識者の選び方など、会議の運営について協議する場が設けられれば、進んで参加する」と明らかにしました。今後、両党が「後乗り」する可能性はそれなりにありそうです。
――消費減税や給付付き税額控除、国民生活に関わる大事な政策ですから、与野党問わず、よい知恵を出し合ってほしいですね。
そうですね。実は自民党内でも「もう少し他の野党も入れてからスタートしてもよかったのでは」という声は出ています。
政府与党には野党の多様な意見を汲み取る「熟議」の姿勢が求められますし、野党側にも、政府与党をチェックする役割として、議論にしっかり関与することが求められています。
(2月26日午後5時10分ごろ放送『news every.』より)