旧統一教会に“解散命令” 総資産は1040億円…使い果たす可能性は? 専門家「制度骨抜きも」「オウム真理教と違って…」

信者の高額献金や霊感商法などが問題となった世界平和統一家庭連合(=旧統一教会)を巡り、東京高裁は4日、教団の解散を命じる決定をしました。これを受け、最高裁の判断を待たずに教団の財産を清算する手続きが始まります。どう進むのでしょうか?
藤井貴彦キャスター
「4日の決定を受けて、今後、被害者への救済はどのように進むのか。そして教団の宗教活動はどうなるのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員
「まずは被害者への救済について。最高裁の判断を待たずに教団の財産を清算する手続きが始まります。東京高裁の決定文によると、昨年度の教団の総資産は1040億円とされ、これには東京・渋谷区にある教団の本部や全国にある約280の教会なども含まれます」
「清算手続きでは、裁判所が選んだ清算人の伊藤尚弁護士が、こうした教団の預金や不動産といった財産を調査・管理し、被害者の救済などに充てます。つまり賠償金などを捻出するために、教会などの不動産も売却する可能性があります」
藤井キャスター
「賠償額に対して、教団の財産が足りないということはあるのでしょうか?」
小栗委員
「現時点ではその可能性は低そうです。教団の総資産1040億円に対し、これまでに元信者らによる集団調停で弁護団が賠償を求めた金額は約86億円。これから名乗り出るかもしれない被害者の分を足したとしても、教団の財産を使い果たす可能性は低そうです」
藤井キャスター
「1040億円と86億円という数字で計算すると、かなりの額の財産が残ります。これはどこに行くのでしょうか?」
小栗委員
「直ちに国に没収されるということはなく、教団内部のルールで決めた行き先があります。教団側は2009年に財産の移転先として北海道・帯広市にある『天地正教』という宗教法人を指定していて、ここに残った財産を送ることになっています」
「この天地正教は、過去の民事裁判の判決では教団の指揮命令下にあると認定されたこともある団体です。教団の問題に取り組む阿部克臣弁護士は、こう指摘します」
阿部弁護士
「余った財産が引き継がれれば、天地正教という別の宗教法人で引き続き同じような活動をすることが可能になる。法人格を失わせるという解散命令制度が骨抜きになる。さらに、天地正教を経由して教団発祥の地である韓国にお金が流れる可能性もある」
藤井キャスター
「今後、教団の宗教活動はどうなっていくのでしょうか?」
小栗委員
「4日に出た解散命令は、宗教法人格を剥奪するものです。今後、税制の優遇措置などは受けられなくなりますが、いわゆるサークル活動のような任意団体として宗教活動を続けることはできます」
藤井キャスター
「例えば、霊感商法など問題となった行為が今後も続いた場合はどうなりますか?」
小栗委員
「宗教法人法に詳しい近畿大学の田近肇教授に聞きました」
田近教授
「オウム真理教と違って大量殺人行為を行ったわけではないので、任意団体そのものを縛るような法律はない。仮に今後も霊感商法のような不法な行為が行われたとしたら、消費者契約法などの個別の法律が今後も適用される」
藤井キャスター
「もし皆さんの周りに、旧統一教会に限らず何かおかしいなと思うことがあったら、近くの消費者センターなど公的な機関に相談してみてください」
(3月4日『news zero』より)