防衛装備庁は、AI(人工知能)を活用した自衛隊の情報分析システムの開発に乗り出す。AI開発に取り組む新興企業「サカナAI」(東京)に委託して2027年度まで研究を行い、将来的には陸上自衛隊に導入する方針だ。部隊内での情報伝達・分析の効率化を図るとともに、新興企業の優れた先端技術を防衛分野に生かす狙いがある。
新しいシステムでは、情報の伝達から統合・分析までAIを活用し、高速化・効率化を目指す。具体的には、前線にいる自衛官が携帯端末や無人機で撮影した敵の写真を基に、AIが位置や装備を自動的に解析し、文字データで司令部に送る。敵の情報を無線機から音声で伝える場合は、受信した音声をAIが文字データに自動変換する。各部署で集めた敵の情報は、AIが統合して司令部のパソコン上の地図などに表示する。味方の最適配置などもAIが立案し、司令官に提示することが可能だ。
新システムは端末内でもAIを動かすため、通信環境の影響を受けにくく、情報流出のリスクも低減できるという。稼働すれば、自衛官の省人化も期待される。国内企業の民生品を活用することで、技術基盤の育成やサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化、コスト削減につなげる。