予算案巡り少数与党の参院自民、首相と現実の間で苦悩…年度内成立に強引手法使えず野党の協力不可欠

参院自民党が2026年度予算案を巡り、年度内成立を目指す高市首相(党総裁)と少数与党の現実の間で苦悩している。イラン情勢の悪化もあり、首相の早期成立への思いは変わらない一方、衆院のような強引な手段は使えず、成立には充実審議を求める野党の協力が欠かせないためだ。予算審議が遅れるようなことがあれば、批判の矛先が参院自民に向きかねないと警戒している。(長谷部駿)
「(予算案について)年度内も念頭に置きつつ、一日も早い成立を目指すというのが基本的な考え方だ」
自民の磯崎仁彦参院国会対策委員長は17日、立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長との会談後、記者団から年度内成立について問われたが、こう述べるにとどめた。会談では、年度内成立に向けた「工夫」の一環として、19日の予算委員会の質疑時間を全て野党に譲ることを提案したものの、斎藤氏に拒否された。
首相は予算案の年度内成立について、強い意欲を維持している。ホルムズ海峡の事実上の封鎖で燃料価格の高騰が懸念される中、年度内成立を断念した場合に編成する暫定予算では、臨機応変な対応が難しくなるためだ。首相周辺は「生活への影響を考えれば、国民も年度内成立を望んでいる」と指摘する。
ただ、参院では与党の議席が過半数に満たず、野党の反対を押し切って職権で委員会開催を決めるといった手法は取りづらい。野党の協力を取り付けなければ、採決で予算案が否決される可能性もある。年度末までに成立が必要な「日切れ法案」を扱う委員会でも多数を奪われている。
参院自民内では、衆院で予算案を審議している段階から年度内成立を不安視する声が出ていた。参院は「熟議の府」として与野党合意を重んじてきた気風もあり、審議時間の短縮が必要となる年度内成立に二の足を踏む向きもあった。参院で予算審議が始まってからは、暫定予算の必要性を指摘する声が広がりつつある。
とはいえ、年度内成立を断念した場合、国民生活への影響懸念から世論の反発を招く可能性も指摘される。参院自民ベテランは「自分たちから無理だとは言えない。我々が批判の対象となりかねない」と吐露する。首相が暫定予算編成を関係省庁に指示する姿勢を見せない中で、「年度内成立が本格的に困難となった時、誰が首相に進言するのか」(参院自民関係者)と苦慮する声も出ている。