沖縄県名護市の辺野古沖で16日、平和学習中の船2隻が転覆し、同志社国際高(京都府京田辺市)の2年の女子生徒(17)と船長が死亡した事故で、波浪注意報が発表されていた事故当日の生徒の乗船判断を、同校が船長にほぼ一任していたことが17日分かった。同日、学校側が記者会見して明らかにした。亡くなった女子生徒は先に転覆した1隻目とは別の船に乗り、1隻目の救助に向かった際に転覆したことも判明した。
事故で死亡した船長の金井創(はじめ)さん(71)らは普段、転覆した2隻を米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設への抗議活動で使用。他人の需要に応じて運送する場合は、海上運送法に基づく事業登録が必要だが、2隻はいずれも無登録だった。学校側は登録の有無を「把握していない」とし、事前に確認していなかったことを認めた。
会見に出席した同校の西田喜久夫校長によると、沖縄本島に波浪注意報が出ていた事故当日は、現地に引率の担当教員が2人いたが、最終的に金井さんの判断に従って出航を決めた。金井さんに生徒の安全を委ねた理由について、西田校長は「船長との信頼関係で大丈夫だと思った」と説明した。
引率教員2人は乗船しなかった生徒への対応のためいずれも陸地に残り、転覆した2隻には生徒18人と運航関係者の3人のみが乗船していた。
同校は沖縄への研修旅行を昭和55年の創立当初に始め、平成27年からは辺野古見学を陸上から行っていた。同校がキリスト教に基づく教育をしていることから、牧師である金井さんと縁があり、令和5年から船上見学を取り入れていたという。
西田校長は会見で「2年生1人が不慮の事故で亡くなり、心よりおわび申し上げる」と謝罪。今月中に外部有識者からなる第三者委員会を立ち上げ、当時の状況を調査する方針を示した。