小泉進次郎防衛相、邦人退避のフライング投稿で「国の安全保障にリスクをもたらす」と国民からもバッシング

小泉進次郎防衛相が、自身のX(旧Twitter)を更新。日頃から自衛隊活動のSNS発信に積極的な小泉氏は、邦人退避のための自衛隊機派遣について書き込んだ。だが、12日発売の週刊誌「週刊文春」(文藝春秋)は、正式な手続きに先立つ“フライング”であったと報じた。
米国とイスラエルによるイラン攻撃から1週間が経過した8日、中東情勢の悪化で湾岸諸国に足止めされている邦人退避のため、日本政府が手配したチャーター機の第1便が、オマーンの首都マスカットから成田空港に到着。オマーンやアラブ首長国連邦(UAE)にいた日本人旅行者ら107人が帰国した。
こうした安堵の息をつくなかで、冒頭の小泉防衛相の投稿が問題となっている。5日午前0時過ぎに「邦人の退避が困難となる場合に備え、邦人輸送のための自衛隊機の派遣準備に着手しました」と投稿。だが、邦人退避のための自衛隊機派遣は、外務大臣からの依頼で行うことが自衛隊法で定められ、正式に外務大臣から準備の依頼があったのは6日であったと同誌が指摘した。
そして、「小泉氏は功を焦ったのか、5日に『派遣準備に着手』と踏み込んだ表現でフライングしてしまった」といった“政治部記者”のコメントを掲載し、情報のリスク管理を問いただした。
報道を受け、ネット上では「閣僚や防衛大臣がSNSで軽率に情報を発信することは、国の安全保障にリスクをもたらすと危惧します」「首相も含めて閣僚のSNSの位置づけが不明瞭だ」「防衛庁内で内々に派遣への対応を進めることと、それをネットで公開することの違いが分からないのだろう」といったSNSでの発信の意図を問う声が多く、また政府内にも混乱を招いた。
政府に突きつけられた「過去最大級」ともされる邦人退避は14日、第6便が成田空港に到着。政府に退避希望を伝えた邦人1086人が全員帰国し、ミッションをコンプリート。2020年1月、新型コロナウイルスの感染が拡大し中国湖北省武漢市にチャーター機を5回派遣して退避させた828人を上回り、国数・人数ともに過去最多となった。インドの隣国、モルディブで待機している自衛隊機は近く撤収する見通しだ。
15日、小泉防衛相がエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を含む中東情勢を巡り、ヘグセス米国防長官と電話で会談。小泉氏は「ホルムズ海峡を含む中東の地域の平和と安定の維持は日本を含む国際社会にとって極めて重要だ」とし、防衛省は16日に米国などと意思疎通していく考えを伝えた。
ホルムズ海峡の封鎖状態解消の目途が立たず、米・ニューヨークの原油先物価格が1バレル=100ドル台と再び上昇傾向に転ずるなか、16日に民間石油備蓄の放出は開始された。戦争とは無縁の我が国にも影響を被ったイラン情勢。どこもかしこも混乱に陥っているが、頼みの綱は政府しかない。今こそ、防衛相の手腕が問われる。