道路整備に伴う用地買収を巡り、福岡県が当初算定した補償額の約5倍の高値で地権者から土地を取得した問題で、県は23日、不適切な手続きで著しく高額な補償費を支払ったとして、用地買収を担った県の出先機関「田川県土整備事務所」の当時の男性所長(57)と男性担当課長(55)の2人を戒告の懲戒処分とした。当時の男性副所長2人は訓告とした。県内部統制室の黒石博之室長らは記者会見で「誠に遺憾。県民の皆様に大変申し訳なく、心からおわび申し上げる」と謝罪した。
問題となった土地は、福岡県赤村にある計2505平方メートルの山林。県事務所は当初、用地補償額を430万円と提示したが、地権者に安価を理由に拒否された後、2165万円に引き上げていたことが2025年8月に毎日新聞の報道で明らかになった。
県によると、増額分は「造成費」として上乗せした。その際、近隣の土地の取引価格と乖離(かいり)がないか比べる必要があったが、県の聞き取り調査の結果、所長ら4人がこれを怠っていたことが判明。県は地方公務員法の信用失墜行為に当たると判断した。
県は毎日新聞の報道を受け、取引を白紙に戻し、補償額の再鑑定を実施。現在、地権者と交渉を進めているという。【金将来】