「10年で外国人倍増」、世田谷区に見る日本の歪み

「外国人よりもむしろ、日本人からのご相談が増えているんです」
【写真】和装で登壇した2026年2月の議会。着物での質問登壇は、世田谷区議会で数十年ぶりの出来事だったという
蔓延する排外的な風潮が、日本人をも傷つけている
オルズグルさんはそう語る。中央アジア・ウズベキスタン出身の政治家だ。2007年から日本に住み、日本国籍となり被選挙権を得ると、2023年の世田谷区議会議員選挙に立候補、当選を果たした。

以来、外国人も含めさまざまなバックボーンを持つ人々やマイノリティに寄り添う社会の実現に向けて世田谷議会でも活発に発言してきたが、2025年から風向きがはっきりと変わったことを肌で感じている。言うまでもなく、排外的な風潮の高まりだ。
「たとえば国際結婚をしているご夫婦で、配偶者の外国の方が外を歩くたびに冷たい視線を感じたり、嫌な言葉を投げかけられたりして怯えているとか。日本に生まれ育った日本人だけど、外国ルーツなので顔立ちは日本人とは違う方がタクシーの乗車拒否をされたり。子供がハーフなんですがいじめに遭っているというお話も聞きます。
こういったご相談はかなりの部分が日本人からなんですね。2025年の参院選と都議会選を境に、相談件数は相当量、増えたと思います」
外国人だけでなく、たくさんの日本人も傷ついてると、オルズグルさんは訴える。
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「外国人の親友が悲しんでいるという人、外国人とともに働いている人、海外とビジネスをしている人……どうしたらいいんだろうとたくさんの日本人からお話をいただいています」
地方議員は地域の人々の駆け込み寺のような役割もある。だからいろいろな相談が持ち込まれるのだが、地盤としている世田谷だけではなく、区外から悩みが寄せられることも多くなっているそうだ。
外国人をもっと地域社会に巻き込むべき
「とにかく主語が大きすぎるんですよ」
オルズグルさんは憤る。報道も政治家も「外国人問題」とひと口に言うが、すべての外国人に問題があるようにも感じてしまう言葉だ。外国人にもいろいろな国籍や背景や職業やそれぞれの人生があり、問題のある人もない人もいる。つまりは日本人となんら変わらない。納税の義務があることも同様だ。
「だから日本人、外国人ではなく、ルールを守る人、守らない人で区別すればいいと思うんです」