ワシントンで開かれた日米首脳会談の冒頭撮影(頭撮り)の席で、アメリカのトランプ大統領が旧日本軍による真珠湾攻撃を冗談めかして引き合いに出したことが、アメリカと日本の主要メディアで大きく取り上げられた。イラン攻撃を同盟国に事前に伝えなかったことの理由を日本人記者から問われたトランプ大統領は、「日本ほど奇襲を熟知している国はないだろう。なぜパールハーバー(真珠湾攻撃)を教えてくれなかったのか」と述べた。多くのメディアはトランプ大統領の「パールハーバー」発言に、高市首相は息を飲み、顔から笑みが消えたと報じている。しかし、映像をよく見ると、高市首相が少し深い息をしたのは「パールハーバー」という単語が出る前のことで、メディアの指摘は少々、まゆつばものであることがわかる。「パールハーバー」発言のポイントは外交の「礼儀」をわきまえないトランプ大統領の日本に対する「無礼」と、日本人としての立場を明確に述べなかった高市首相の「失策」にある。◆高市首相の「反応」をめぐる報道と実際のズレ「パールハーバー」発言に対する高市首相の様子については、ワシントン・ポストは「目を大きく見開き、椅子に深く座り、顔から笑みが消えた」と報じた。ニューヨーク・タイムズも「目を見開き、深く息を深く吸い込んだようだった」と記している。日本のメディアも「目を見開いたものの反論はせず、受け流した」(時事)、「一言も発さず、目を大きく見開いていた」(共同)と報じ、高市首相が「パールハーバー」という言葉に反応したかのように伝えている。本当にそうだったのか。ホワイトハウスがインターネット上にアップしている映像をよく見てもらいたい。開始から24分06秒でトランプ大統領は「日本ほど奇襲を熟知している国はないだろう」と話し始めている。その部分が終わるころ高市首相は軽く深呼吸をし、同時に目が少し大きく開いている。単純に深呼吸に伴う目の動きのように見える。なぜなら、まだ「パールハーバー」という言葉が出ていないからだ。トランプ大統領の「なぜパールハーバーを教えてくれなかったのか(Why didn’t you tell me about Pearl Harbor? )」という言葉は、英語では「パールハーバー」という単語が最後に出てくる。その「パールハーバー」という単語が飛び出す前に、すでに高市首相は深い息をし、目を大きく開けている。アメリカ側からトランプ大統領が「パールハーバーの話をするぞ」と高市首相に伝えていない限り、「パールハーバー」という言葉が出て来なければ、これが真珠湾攻撃の話かどうかはわからないはずで、その前の変化は別な要因としか思えない。