【参政党・潜入ルポ】「勝率94.5%」参政党が地方選挙に強い理由 候補者よりも政党のほうが有利になる力関係、求められるのは忠誠心…地方議員狙いの戦略はどこまで有効なのか

ジャーナリスト・横田増生氏が党員となって参政党に”潜入”し、ボランティアとして選挙活動に携わりながら、党の本質に迫ってきた本連載。5か月にわたる活動のなかで、組織の実態や神谷宗幣代表の力を目の当たりにしたのが、総選挙に先立つある地方選挙だった。地方ではどのような人物が議員となり、いかに選挙を戦っているのか──。最終回となる今回は、参政党が地方選挙に強い理由について迫る。(文中敬称略)【シリーズ・第10回】
議員になりたい人がボランティアに参加
一体、どんな人たちが参政党のボランティアとして集まってくるのか。
私のなかで最も印象に残っているのが、選挙戦2日前に、白のフォルクスワーゲンに乗ってきた40代の男性だ。
街宣の途中で世間話をしていると、その男性が私にこう問いかけてきた。
「実は僕、今日は都内から応援に来たんですけれど、住民票は木更津にあって、2拠点生活を送っているんです。次の統一地方選挙では木更津から出ようと思っているんです。でも、木更津は住んでまだ2年しかたってなくって、都内は20年ほど住んでいるんですね。今回の選挙を手伝っていて、やっぱり地元に根付いた候補者のほうが受けがいいような気がしているんです。どう思いますか?」
私は彼の話に首肯しながら聞いていた。千葉県旭市市議選で参政党から2位当選した高橋美千子の最大のセールスポイントが、旭市出身だという点を見れば、この男性の指摘は的を射ている。
彼はさらに続ける。
「木更津での選挙のほうが競争が少なく有利な気もするんですが、都内に住民票を移して、そこから選挙に出るという選択肢も考えはじめちゃって」
どちらのほうが当選の確率が高くなるのかは、私にはまったく分からない。しかし彼は、私もまた出馬を考えている党員の一人であるかのように相談してきたのだ。
議員になりたい人がボランティアに参加している、ということが党員の間で、まるで前提のようになっているのが印象的だった。
話の接ぎ穂を求めて、翌日もボランティアに来るのか、と私が男性に問うと、
「明日は、参政党の政治塾の日なんで来られないんです」
半年をかけて参政党の理念や政策立案、それに選挙の演説などを教えてくれる地方議員育成を目的にした政治塾のことだ。
この選挙に関わりながら、政治塾に参加していたのはこの男性だけではなかった。千葉県に住む別の男性は、翌日の政治塾が終わった後、マイク納めに駆け付けてボランティア活動を行なっている。年が明けると千葉県の選挙区から衆院選に出馬していた。小選挙区での当選はなく、比例名簿にも載らなかった彼が、今後、地方選挙へと移行していくだろうことは想像に難くない。