自民党内では今、派閥の復活、再編の動きが急速に進んでいるという。そのなかで先頭を切ったのが、反高市勢力の1人、武田良太・元総務相だ。旧二階派を継承する形で4月2日に事実上の武田派「総合安全保障研究会」を旗揚げ。22人が参加した。そんな武田氏は、政界屈指の資金力を誇る。だが、裏金問題で処分を受けただけでなく、その資金の使いっぷりには疑問も多い。
コロナ自粛下の2020年には政治資金で自民党有力者でも断トツの年間222件、総額1583万円の飲食・会合費を使い、その後も武田氏の資金管理団体(武田良太政経研究会)を見ると2022年に約1209万円、2023年は約1509万円、2024年には約1490万円の飲食費を計上。支出先には料亭や焼き肉、ステーキ、寿司店などが並んでいる。2024年の総選挙で落選後も東京・赤坂の韓国料理店や銀座のバーなどに飲食代の支出があり、資金力を示している。
ちなみに高市首相も資金力は豊富だが、「夜の会合」が嫌いとあって飲食費の支出は少ない。2022年が約204万円、総裁選で敗れた2023年は約334万円、総裁に就任した2024年も約538万円と武田氏の3分の1にとどまる。
「武田さんは派閥会長だった二階氏譲りで議員との宴席で親睦を深めて仲間を増やすタイプ。そうやって子分も増やしてきた。宴会嫌いで昼食も1人で食べる高市総理とは正反対で肌が合わない」(旧二階派議員)
その武田氏は厳冬期の選挙戦となった今年2月の総選挙にかかった「選挙運動費用収支報告書」に興味深い支出があった。
同報告書の「雑費」の記載に、カイロや手袋、ネックウォーマーや毛布、電気毛布、灯油ポンプ、ヒーター、さらに靴下まで支出が記載され、選挙費用で賄っていたのだ。
これらの防寒関連と思われる支出だけでざっと23万円にのぼっていた。
武田氏が報告書を提出した福岡県選挙管理委員会は「選挙運動資金の支出は選挙のための支出に限られるが、品目の規定はない」と説明する。
しかし、大雪の選挙戦となった北海道5区の和田義明氏の選挙運動費用報告書を見ると蓄熱ブルゾン、防寒ブルゾンなどの支出があったが総額12万円ほどだった。武田氏と同じ福岡11区の対立候補たちも防寒グッズの支出はあるもカイロなど数千円程度を何点か支出しているのみだった。
武田陣営の選対幹部だった人物に話を聞くと、「辻立ち部隊などは、寒風のなかに立って使い捨てカイロを複数使うし、手袋も二枚重ね。だから外で運動する人のために、事務所にはいつもそれらを補充して置いていた」と、必要な支出だったことを強調する。
武田氏の事務所に聞くと、「候補者及び選挙事務所の活動のために、防寒対策として必要な物品を購入しました。使用後は消耗品以外は保管しています。選挙運動費用、政治資金は、法令に従い適正に使い、その収支を報告しているところです」と答えた。
高市首相が極寒の時期に解散・総選挙を打つから防寒グッズがこんなに必要になったという”当てつけ”なのか。
※週刊ポスト2026年5月1日号