岩手県で発生した山林火災。大槌町によりますと、200ヘクタール以上が延焼、2588人に避難指示が出ています。2か所で同時に発生した火災、なぜこれほど拡大したのでしょうか。
山林火災発生から1日以上が過ぎても届かない収束の知らせ。
記者「消火活動のヘリコプターが炎の方へと向かいます。放水しました」
22日夜、2つの地区で相次いで山林火災が発生した岩手県大槌町。一夜明けても、山へとつながる道は規制線がはられたまま。収まる気配のない煙、中には立ち並ぶ住宅のすぐ裏手に炎。予断を許さない状況が続きます。
記者「住民の方でしょうか、山を見ている様子があります。こちらの住民の方も山を見ています。心配そうに見つめています」
住宅街に迫る炎。
「(Q:これだけ大規模な山火事)初めて。寝たきりの母親もいますから、どうしてもギリギリまで(避難できない)。このまま穏やかに鎮火してもらいたい」
朝から懸命な消火活動が続いていますが、なかなか鎮圧には至らず。それどころか、上空から見ると…
記者「雲のように見えるもの、これほとんど煙とみられています。あたり一帯の視界をふさぐような形で煙が覆っています」
うっすらとしか見えない町の輪郭。
記者「複数の場所から大量の煙が上がっています。海側から内陸側、東から西へと弱い風が吹いています。風に乗って煙や火が広がっていると思われます」
大槌町で1つ目の火災が起きたのは22日午後1時50分ごろ、小鎚地区。そのおよそ2時間半後、10キロほど離れた吉里吉里地区でも山林火災が発生しました。町によりますと、焼けた範囲はあわせておよそ201ヘクタール。
通報者「火のまわりがはやかった。最初は煙、それからすぐ火がついた。赤くなって『ついた』って。そのくらい風が強かった」
これまでに、小鎚地区では住宅など建物7棟が焼け、60代の女性が避難所で転倒しケガをしたということです。
避難指示のエリアも拡大。およそ1200世帯、2600人ほどが対象です。避難所に身を寄せていた人は…
小学6年生「震災のときは高いところに逃げれば大丈夫だけど、火事の時は囲まれたら終わりだからちょっと怖かった」
「震災で、津波で全壊して、高台に家を建てた。今度は山からの火事で、また家が燃えそうになっている。早く消えてほしいの一言」
さらに、この地域では3日前、三陸沖を震源とする地震を受け「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も発出されています。
「(Q:後発地震注意情報も山火事も)パニックです。地震が来て、津波が来て、上にあがると山でしょ。火事でしょ。どこに行けばいいのかな。怖いです。本当に怖いです」
同じ日、同じ町内で起きた2つの山林火災はなぜ起きたのか。専門家は…
山林火災に詳しい 千葉大学・峠嘉哉准教授「2か所の距離が10キロ離れていて、飛び火で2件目が起きたかというとそうではない。独立して2件の林野火災が同じ日に起きたと」
10キロという距離から、2つの火災は別々の火災と分析。今の時期は山火事が起こりやすい時期だということです。
山林火災に詳しい 千葉大学・峠嘉哉准教授「『乾燥・強風』の条件と『地形が急峻(急で険しい)』な条件だと延焼速度がはやくなって大規模化しやすくなる」
17日から「乾燥注意報」が連日発表されていて、この10日間の雨量は、平年と比べてかなり少ない大槌町。週末にかけても晴れて空気の乾燥が続き、まとまった雨が降る可能性は低い見込みとなっています。