《栃木強盗殺人》日常的に暴力を受けて支配…実行犯の16歳兄が証言した「悪夢の出会い」

〈 《栃木強盗殺人》“指示役夫婦” 竹前海斗・美結容疑者とは何者か? 実行犯の兄か激白《家族を殺すと脅され…》週刊文春が徹底取材「栃木強盗殺人事件」 〉から続く
「弟はBから日常的に暴力を受けていて、支配されていたように感じます。事件前日も呼び出され、Bと竹前から顔の形が変わるほど殴られた。そのまま家に帰ってくることはありませんでした」
5月14日、栃木県上三川町の住宅に高校生4人が侵入し、住人の富山英子さん(69)が殺害された強盗殺人事件。実行犯として逮捕された高校生Aの兄は、弟の写真を見つめ、時折涙を浮かべながら「 週刊文春 」にこう打ち明けた――。
社会部記者が説明する。
「実行犯の高校生4人はいずれも16歳で神奈川県在住。指示役として彼らに車や凶器などを提供したのは竹前海斗容疑者(28)と妻の美結容疑者(25)でした。17日までに計6人が強盗殺人容疑で逮捕されています」
高校生4人は白のBMWで現場へ向かい、途中の高速道路にあるサービスエリアで竹前夫婦と合流。夫婦からバールなどの凶器を渡され役割を指示されたという。一部の高校生は、この時初めて強盗目的と知ったとして、県警に「事件前日まで普通のバイトだと思っていた」と供述している。
「6人はサービスエリアで一緒に食事を取り、竹前夫婦が金庫の場所などを高校生らに指示した。その後、6人は栃木県内のコンビニへ移動し、夜が明けた午前9時半ごろに犯行に及んでいます」(同前)
夫妻からリアルタイムで指示を受け…
高校生4人が現場周辺に到着したのは、事件の3時間ほど前。入念に準備をしていた可能性があるとみられている。
「見張り役1人と侵入する3人に分かれ、正面から入ったり、塀をよじ登ったりするなど、それぞれが別のルートから侵入する様子が防犯カメラから明らかになっています。Bが実行犯の中心とみられており、Bは他2人と押し入った際、竹前夫婦からリアルタイムで受けた指示を周囲に伝えていた」(同前)
少年Aの兄が取材に応じた
このBはSNSで「闇バイト」に応募し、他の高校生らを今回の事件に誘い入れた張本人でもある。以前から竹前夫婦とも面識があったという。Aの兄が明かす。
「AはBに従うしかなかったのだと思います。2人は昨年、高校で同級生になったことで知り合い、当初はAも『友だちができたんだ』ってBのSNSを見せてきて、本当に嬉しそうだった。今までああいう顔見たことなかったから、俺も最初は安心したんです。しかし、関係性は徐々に変わっていった」
あんなことをする弟ではなかった
Aは相模原市で生まれ、5人きょうだいの次男として育った。勉強が苦手で、人付き合いがうまい方ではなかったというが、バイトで初めて稼いだ給料で兄の娘にプレゼントを買ってくるなど優しい一面のある子だったという。
「娘に『バイトで初任給入ったから』ってたくさんお菓子を買ってきてくれた。俺にも『いつもありがとう』って言ってね。娘もめちゃくちゃ喜んでいたし、懐いていました。自分の気持ちを伝えるのが下手で、周りにすごく気を使うシャイな子でしたが、中学までは得意なことも多くて楽しそうに過ごしていた」(同前)
兄がいうように、中学の同級生もAに対して同じ印象を抱いていたという。
「とてもいいやつでしたよ。バカで天然な愛らしいキャラで、インスタのアカウントの作り方がわからなくて、お母さんに作ってもらったんだということもありましたね。スマホゲームがプロ並みに上手で、学校中の友人を誘って『荒野行動』を流行らせていました」
Aは運動神経が良く、体力テストの握力測定では50キロをたたき出し、「化け物だ!」と同級生を驚愕させたこともあったという。
「ただ、人気者というよりかはいじられキャラでした。そんな一面からお金をたかられていた時期もありました。1000円ちょうだいと言われてほんとにあげちゃうような。何が悪いことなのかわからず、善悪の区別がついてなかった」(同前)
その後、高校に進学したAはBと知り合い“悪ガキ”へと変貌していく。

Bと出会い、Aはどう変わったのか。兄が弁護士から聞いた、Aによる犯行の驚くべき詳細とは。そして事件の日、兄だけが感じ取っていたAの“異変”。この記事の続きは「 週刊文春 電子版 」で配信中。さらに別の記事では、事件の“指示役”である竹前海斗容疑者や美結容疑者の学生時代ついても詳報している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)