「もう頭にきますよね」「迷惑ですよ」
東京・池袋で住民たちが怒りの声を上げています。その原因は街のいたるところに放置された多数のスーツケース。今、池袋ではスーツケースの放置が激増し、問題となっています。いったい誰が、なぜ捨てているのでしょうか?
取材班が訪れた池袋の住宅街では、『不法投棄は犯罪』と大きく書かれた看板があるにもかかわらず、黒い大型のスーツケースが放置されていました。ほかにも道路沿いにスーツケースが置かれていて、その様子から不法投棄と考えられます。
近隣住民は捨てられる瞬間を目撃していました。
Q.捨てている人たちはどういう人ですか?
(目撃した近隣住民)
「9割方は異国の人だと思う。たまに朝早く、捨てているところを見たことがある。日本のスーツケースは安くて質がいいので、自分が以前使っていたものを置いて行ってみたいな」
実は2025年6月、取材班は大阪・ミナミでもスーツケースの放置問題を取材していました。ごみ箱の横には「一緒に持って行ってほしい」と言わんばかりに放置されたスーツケースがありました。
また、大阪市内のホテルの倉庫には宿泊客が部屋に置いていったスーツケースが数多く保管されていて、取材当時、ホテルの支配人は「廃棄費用として年間15万円から20万円ほどかかっている」と話していました。
今回、取材班は約3時間の池袋での取材で11個の放置スーツケースを発見しました。住民によると、ゴミ集積場付近では不法投棄が起きやすいといいます。
豊島区では、一辺が30センチを超える不用品は粗大ごみとして処分する必要があり、手数料がかかります。放置されたスーツケースの多くは区の清掃事務所が回収していて、その費用は税金で賄われています。2025年度、豊島区が回収した放置スーツケースは約290個に上りました。
住民からは「民泊をやっているマンションの前のごみ置き場に、置かれていることがある。民泊が増えてから、こうした放置は確実に増えたなと思う」といった声もありました。
2026年3月時点で、豊島区の民泊届出住宅数は都内3番目の多さにもなる1859件です。これまでも民泊施設付近のごみ問題は発生しており、区に寄せられた苦情は2024年度が120件、2025年度は約100件増の216件に上っています。(2026年3月15日時点)
周辺住民からは、「民泊の急増とともに放置が増えた」「税金で回収するのは納得できない」といった声も寄せられています。
(本村健太郎弁護士)
「これは廃棄物処理法違反です。警察が本気で取り締まれば対応は可能ですが、現実には手が回っていない状況です」
豊島区では、2025年12月から新たな民泊条例がスタートしていて、事業者に町内会への加入協議を義務づけました。また2026年5月には、区役所内に民泊の見守りチームを新設しています。
2026年12月からは、営業日数を年間180日から120日に短縮し、営業期間を春休み・夏休み・冬休みに限定。さらに、区内の約70%のエリアで民泊の新設を不可とし、悪質な事業者には業務の「改善」「停止」「廃止」を命じるということです。
一方で、放置されたスーツケースを再活用する取り組みも進んでいます。日本鞄材(株)では「ReCase(リケース)」といった“放置”スーツケースの再利用事業を行っています。
“放置”されたスーツケースを有料で回収し、洗浄・修理のうえ国内で再販や途上国へ寄付しています。すでに全国150以上のホテルで導入され、開始から約3年で約7200個を引き取り、再利用したということです。
日本鞄材(株)の中村亜依香さんは、「インバウンド客による“放置”の多さにビックリした。社会貢献の一環として考えている」と話しています。
(読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」2026年5月15日放送)