“冬の富士登山”に市長怒り 「救助有料化」議論の課題は

冬の富士山登山に地元市長が怒りを露わにしています。これまでも市長が主張してきた「救助の有料化」は今、どこまで進んでいるのでしょうか。
【画像】富士山 4つの登山道
遭難に市長怒り
静岡・富士宮市 須藤 秀忠 市長(79)

「登山家は、『山があるからそこに登るんだ』と。それは自分たちの勝手であって、“登られては困る”という私たちの立場をもう少し理解してもらいたい」
静岡県富士宮市の須藤市長、憤りを隠しません。
静岡・富士宮市 須藤 秀忠 市長(79)

「“(救助)費用はあんたたちに持ちだよ”、そんな考え方を持ってもらっちゃ困る」
“救助の有料化”は実現するのか?そこには、富士山が抱える課題がありました。
来月の富士山開山を前に、富士宮市の須藤市長が問題を提起しました。
静岡・富士宮市 須藤 秀忠 市長(79)

「(開山)時期に登ってもらえればいいです。冬山は登らなくても、開山中はいつでも登れるから」
須藤市長が訴えるのは「閉山期間中の登山禁止」、そして「救助の有料化」です。
富士山の登山道は合わせて4つありますが、いずれも閉山期間中は通行禁止となっています。
一方で、登山道以外は立ち入りを禁止する法的根拠がありません。
そのため、閉山期間中であっても富士山に登る人は多く、遭難事故も後を絶たないのが現状です。
静岡・富士宮市 須藤 秀忠 市長(79)

「助けに行くほうも命がけで行くんですから、やめてもらいたいという思いですね」
遭難救助の様子
これは、静岡県警が公開している遭難救助の様子です。

3月の富士山、雪が激しく吹きつける過酷な環境で、複数の隊員が遭難した登山者の救助にあたります。
ただ、このように警察や消防が出動した場合でも、現状、遭難者に救助費用を求めることはできないといいます。
静岡・富士宮市 須藤 秀忠 市長(79)

「法律を改正して、あくまで(遭難者の)自己負担に変えてもらいたい」
実はこれまでも、たびたび須藤市長は“救助の有料化”を訴えてきました。
実際に「防災ヘリによる山岳救助の有料化」を導入する自治体もあるなかで、なぜ富士山では実現しないのでしょうか?
富士宮市 観光課 保坂 郷介 主査

「ほかの山も静岡県内にはあるので、富士山との差別化をどう担保していくか難しさがあると(県から)聞いている」
また、富士宮市によると、複数の自治体にまたがる富士山だけに費用の設定や、山梨県側との調整にも時間がかかるそうです。
富士宮市を含む富士山周辺の4市1町は、今後、国や県に対し“救助の有料化”などを要望するとしています。
(2026年6月9日放送分より)