〈 「電話の向こうにいるのは“元テレクラのサクラ”です」…1分ごとに課金される『電話占い』のヤバすぎる正体 〉から続く
SNSでよく見かける「無料占い」や「ワンコイン鑑定」。しかし、それに申し込んで「続きは公式LINEで」と誘導されたら要注意だ。登録した途端、あなたは“情弱リスト”に名を連ねてしまうかもしれない――。
そう警鐘を鳴らすのは、占い業界に10年間身を置いた、まねまね氏だ。ここでは同氏による『 占い師ぶっちゃけ話 』(清談社Publico)の一部を抜粋。悪徳占い師たちの手口を、注意喚起の意味を込めて紹介する。
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LINE登録しただけなのに……
「無料占い」「ワンコイン鑑定」に申し込むと、「占いの結果は公式LINE登録で」といわれた経験はないでしょうか。一見すると単なる案内のようですが、これは実は顧客を選別するための導線です。
登録という一手間をかけてまで結果を知りたい人は、占いへの関心や依存度が高い可能性があり、課金につながりやすい層です。また、LINEの登録という手間が相談者本人をしばりつけるという側面もあります。労力をかけたものに対して「元をとるまでやめられない」という心理が働きます。これをサンクコスト効果といい、占い依存を招く大きな要因の一つです。
流れとしては、まずXやInstagramなど利用者が多いオープンなSNSで安価な占いをするキャンペーンを行います。
この最初の鑑定までのやりとりは、各SNSのDM(ダイレクトメール)などで済まされることがほとんどです。誰にでも当てはまる短い鑑定文が送られてきて「もっと詳しく知りたい方は公式LINEで」と登録を促します。実際には「あなたの運命を変えるアドバイスは」「あなたの人生を左右する鑑定結果は」といったドラマチックな言葉が使われますが、要は「LINE登録しないと詳細は教えられないよ」ということです。
公式LINEに登録した途端、占い師の口調はガラリと変わります。オープンな場ではあたりさわりのないポジティブだった語り口が、「あなたの今年の運気は最悪」「このままだと病気になる」「呪われている」といったダイレクトに不安を煽る言葉に変わり、恐怖心が高まったタイミングで商品を勧められます。
売られるのは「遠隔ヒーリング」「リモート祈」といった効果が証明できない商品も多く、被害額も泣き寝入りしやすい絶妙な金額に設定されています。
なお近年、悪質な占い師が特に目をつけているのがThreads(スレッズ)です。利用者に女性が多く、共感を重視する設計である一方、Xのコミュニティノートのように情報の真偽を検証するしくみがありません。そのため、根拠の乏しい主張やいわゆる「トンデモ」も、強い反論にさらされないまま拡散されやすい環境にあります。そうした投稿に反応した利用者や占い師をフォローしているアカウントをリスト化した、いわゆる「情弱リスト」をLINEへ誘導する手口も横行しています。
インターネットの発展によって、今まで占い師と接点がなかった人までもが、悪質な占い師に狙われるようになりました。そして、そんな悪質な占い師による被害はお金だけにとどまりません。
立場を利用して体の関係を迫ろうとする
占いは、いくら外れてもそれ自体が犯罪に問われることはありません。にもかかわらず、時折「占い師が逮捕された」というニュースが報じられます。
占い師が逮捕に至るケースは、大きく二つあります。一つは、 第3章 で触れた、占いを入り口にした投資詐欺や高額な霊感商法などの金銭をめぐる違法行為。もう一つは、鑑定という立場を利用した性被害に関わるケースです。
背景には、占い師を取り巻く環境の変化があります。かつては占いの館などに所属し、店舗で活動する占い師が主流でしたが、コロナ禍をきっかけにフリーランスの占い師が急増しました。
特に、対面鑑定するフリーランスの男性占い師には注意が必要です。占いの館のように常時複数のスタッフや客がいる環境とは異なり、密室で二人きりになる状況が生まれやすく、身体的被害に発展する危険が及ぶ可能性があります。
ここから話すのは、フリーランスの男性占い師の鑑定を受けた、ある女性のお話です。
女性が1回目に鑑定を受けたとき、占い師の鑑定はごく普通のものでした。しかし、それからしばらく経ったある日、占い師からこんなメッセージが届きました。
「お金はいらないのでもう一度会えないでしょうか。実は私にはオーラが視えるのですが、先日会ったときあなたのオーラはとてもよくない状態でした。一度ちゃんと霊視を行って、対策をお伝えしたいんです」
女性は少し違和感を感じたものの「お金はいらない」という言葉もあり、もう一度占い師に会ってみることにしました。
しかし2度目の鑑定は、1回目と雰囲気が全く違っていたそうです。
「あなたの住んでるマンションの近くにポストがあるでしょう?」
「あなたの部屋の家具の配置は、今こんなふうになっていますよね?」
占い師は女性の自宅の周辺環境や部屋の間取り、家具の配置などをピンポイントで当てていきました。
もし女性が騙されやすいタイプだったら「本物だ!」と占い師に心酔したのかもしれませんが、あまりにピンポイントすぎる情報の数々に女性は恐怖を感じ、すぐにその場から逃げ出したそうです。
帰宅後、どうやって情報が漏れたのか怖くてたまらなかった女性は、何か手がかりがあるのではないかと、自分がいつも持ち歩いているカバンをひっくり返しました。
すると内ポケットに、見覚えのないスマートタグが入っていたのです。
そう、これはあの占い師が1回目の鑑定のときに入れたものでした。スマートタグがあれば、女性の自宅の場所は簡単にわかります。自宅のマンション名があれば、不動産業者のホームページから間取り図が見つけられるでしょうし、SNSなどの写真と合わせればおよそ何階のどの部屋に住んでいるかわかるはずです。
女性はぞっとして、すぐに占い師に電話して問い詰めましたが、しらを切られてしまったそうです。スマートタグを入れた瞬間を見ることができていない以上、相手が認めないなら泣き寝入りするしかありません。
この占い師はたまたま得た情報をホットリーディングとして占いに使い、女性が全く信じなかったため、女性の身に危険は及びませんでした。
占い師が「浄化、除霊、呪い、先祖との因縁」と言い出したら要注意
しかし、住所がバレた時点で後をつけられ、乱暴される可能性はゼロではありません。
また、このようなピンポイントな占いで相談者を信用させて「腰回りに霊が見える。浄化したほうがいい」などと言って体の関係を迫る占い師もいます。
言うまでもありませんが、こうしたフリーランスの占い師に会いに行くときは、絶対に二人きりになってはいけません。中には男性であることを隠して会おうとしてくる占い師もいるので、初回は喫茶店など周りに人がいる状況で占ってもらいましょう。
そもそも占い師が「浄化、除霊、呪い、先祖との因縁」とか言い出したら速攻で逃げてください。フリーランスの占い師に密室で鑑定してもらうのは、お金以外のリスクがあることを覚えておいてほしいです。
〈 病院スタッフに紛れ込んだ信者が“重病の患者”の個人情報を流し、占い師は息子の重病に苦しむ母親に声をかける…“町中に佇む占い師”が“祈祷料500万円”を手にする“凶悪なカラクリ” 〉へ続く
(まねまね/Webオリジナル(外部転載))