停滞する梅雨前線と台風7号の北上に伴い、九州・山口各地では23日ごろから断続的に雨が続き、72時間降水量の観測記録1位を更新した地点が相次いだ。26日夜、山口県平生町では民家を巻き込む土砂崩れが発生。福岡県田川市では地面の陥没が見つかった。雨が地盤の緩みなどに影響した可能性がある。
平生町の土砂崩れ現場では27日早朝から消防、自衛隊、警察などが民家の住人で行方不明になった70代男性を捜索。消防によると、男性は土砂が流れ込んだ建物内で夕方に心肺停止状態で発見され、病院に搬送されたが、死亡が確認された。発生当時、町には「レベル2土砂災害注意報」が出ていた。
一方、地面が陥没したのは田川市位登(いとう)の住宅地の一角。26日午後6時20分ごろに県警に通報があった。県警田川署によると、深さ5メートル、大きさは縦5メートル、横3メートルで、車庫と電柱が陥没した穴に沈んだ。電線が切れており、付近の約20戸が停電し、近隣住民が一時避難した。けが人は確認されていない。
一帯はもともと炭鉱があった地域で、地下に坑道がある影響で地盤が脆弱(ぜいじゃく)な土地だという。近所に住む女性は「26日の夕方は少し土が欠けたぐらいだったが、数時間後にメリメリ、ドーンという音がして倉庫が落下した。驚いた」と話していた。田川署は「降雨が影響した可能性もある」と説明している。現場の復旧には数日程度かかる見込みという。
気象庁のデータによると、土砂崩れが起きた平生町に近い山口県柳井市の72時間降水量は、27日午前2時40分までに354・5ミリを観測。福岡県内でも朝倉市で26日午後11時までに368ミリ、添田町で午後11時20分までに353・5ミリを観測するなど、6月の観測値として各地点の統計開始以来1位を更新した。【山口響、池田直、山下智恵】