東京都八王子市で平成30年、市立中学2年の永石陽菜(ひな)さん=当時(13)=が自殺した問題で、父親の洋さん(57)が30日、同市内で記者会見し、市教育委員会の第三者委員会が調査報告書で「いじめと自殺との間には直接的な関連性は認められない」としたことについて「今回の件はいじめから始まって陽菜は自死することになったわけで、何の関わりもないはずがない」と強い不満を表明した。
陽菜さんは29年7月ごろに部活動の部員から会員制交流サイト(SNS)で非難コメントを書き込まれ、夏休み後から不登校になった。昨年4月に転校したが不登校は続き、同8月28日に八王市内の駅で電車に飛び込み、後に死亡した。
調査報告書では「いじめと不登校の間に直接的な関連性がある」と認定。学校側はいじめによる重大事態として把握する必要があったにも関わらず、「一般的な不登校の事例」と捉えていじめ対応がなされていなかったことなど、学校側の対応の不備を指摘した。
これについて洋さんは「評価できる」とし、夏休み後の9月下旬に学校に相談したことに触れ、「最初にもっと真剣に取り組んでもらえていれば陽菜が悩み続けることもなかった」と学校側を改めて批判した。
時間の経過が直接的な関連性を否定する理由とされたことには「そうでないなら、何で電車に飛び込んだのか。他に何があったのか。そんなこと全くない」と怒りをあらわにした。
洋さんは「こういう(報告書の)結果を出してしまうと、携った生徒や先生の気持ちが薄れてしまう。第2、第3(の陽菜さん)が出る」とし、今後の対応は「代理人と相談して考えていきたい」と述べた。
石森孝志市長は同日、「調査報告書の内容を庁内で共有し、再発防止に取り組んでいく」とするコメント出した。