国会正常化、野党共闘に成果と限界…定数削減案先送りは勝ち取ったが「副首都構想」審議入り容認

空転が続いた国会で野党は8日、正常化することで与党と折り合った。一致して成立断念を求めた衆院議員の定数削減法案の先送りという成果は勝ち取ったものの、野党共闘の限界にも直面した。一部の野党が理解を示す「副首都構想」関連法案の審議入りは容認するなど、最後は一定の譲歩をしての決着を余儀なくされた。(林航、中尾敏宏)
「求めてきたことが実現に向かっている。国会の正常化に向けて進めたい」
中道改革連合の重徳和彦国会対策委員長は8日、自民党の梶山弘志国対委員長との4回目の会談後、記者団にこう述べ、胸を張った。
野党各党がそろって反発していた定数削減法案に関し、与党から、秋の臨時国会に先送りするとの譲歩を引き出したためだ。削減法案については、高市首相(自民党総裁)と日本維新の会の吉村代表が7日の会談で先送り方針を確認していた。中道改革の小川代表も7日夜、自身のX(旧ツイッター)で「野党が衆参両院で共同戦線を張り、苦渋の対応をとった一つの成果だ」と強調していた。
野党は、首相出席の衆院予算委員会の集中審議についても、梶山氏から開催の「約束」を取り付けた。野党は歴代政権に比べて時間が短いとして問題視し、開催にこだわってきた。
もっとも、集中審議については、梶山氏が「与党国対の責任において会期内に実施する」と回答するにとどまった。与党国対と首相官邸の調整次第という不確定要素を残すことになった。
皇室典範改正案の審議入りの条件としてきた副首都法案の成立断念についても、与党の「今国会での成立方針」を変えさせられなかった。与党は、国民民主党やチームみらいなど副首都構想に一定の理解を示す党と接触しており、野党そろっての反対姿勢は継続しにくくなっていた。
野党側は、「静ひつな環境」が求められる皇室典範改正案の審議入りがこれ以上遅れれば、批判にさらされかねないとの懸念も抱えていた。法案審議を拒む野党の姿勢への世論の理解が広がる兆しもなかった。
野党はいったんは衆参で全ての審議に応じないとの共同戦線を構築したが、ある野党幹部は「定数削減への反対では一致できたが、一時的な結束にすぎないだろう」と語った。