「生活が苦しい」と感じる世帯は55.4%にのぼることが厚生労働省の「2025年国民生活基礎調査」でわかった。対象は全国各地の約33万世帯。この調査は毎年行われ、今回は3年に1度の大規模調査に当たる。
調査は2025年7月時点での生活意識を尋ねたもので、厚労省は要因として、「飲料や食料品の物価高が影響した可能性がある」と分析している。物価高騰の原因は円安によるところが大きいと考えて間違いない。
厚労省によると、ここ25年ほどは5割を超える水準で高止まりしているそうだが、この間政権を担ってきたのは自民党と公明党だ。25年もの間、半数以上の世帯が「生活が苦しい」と訴えているにもかかわらず、何も対策を施してこなかったことになる。
注目すべきは、子どもがいる世帯で「苦しい」と回答したのが61.5%にものぼるということ。さらに、母子世帯では82.1%の人が「苦しい」と回答した。これでは政府がどんな子育て政策を打ち出しても少子化が止まらないのは当然だ。
昨年の夏といえば、コメ不足が社会問題化していた時期だ。食べ盛りの子どもがいる家庭が大変だったことは容易に想像がつく。エコノミストの門倉貴史氏は調査結果に関するコメントを、SNSに次のように投稿している。
「税収が過去最高を更新し続けているにもかかわらず、いまだに半数以上の世帯が『生活が苦しい』と感じるなど、国民生活が改善する気配が見られないのは、本当に必要なところに税金が使われていないことを示している。租税支出研究所の調査によると、日本の税金の使途の透明度指数(2024年)は、調査対象の104か国中73位とかなり低い順位となっている」
この透明度指数は、税の使い道についてどれだけ国民に情報が開示されているか、また事後的に検証・反省がなされているかを指数化したものだ。簡単に言えば、日本政府は無駄遣いが多く、税金の使い道に問題があるということである。門倉氏は「税収の上振れ分を減税に回すなど、税金を国民生活の改善に直結するような政策に使っていくべきではないか」としている。
調査対象の世帯構成は、65歳以上の高齢者世帯が全体の31.9%を占め、子どもがいる世帯は全体の16.7%で減少傾向にある。世帯構成を見ても、社会の高齢化が一段と進んでいることがわかる。なお、子どもがいる世帯の母親のうち、81.2%が仕事をしていると回答し、過去最高となった。
文/横山渉 内外タイムス