理化学研究所は30日、今月16日に運用を終了したスーパーコンピューター「
京
( けい ) 」(神戸市)の電源を切った。9月から解体、撤去される。
京は計算速度が毎秒1京回(京は1兆の1万倍)を超える性能を備え、2011年3月にシステムが部分稼働した。同年6月に計算速度で世界1位を達成し、12年9月に本格運用が始まった。気象、防災、宇宙など幅広い分野の研究と計算に活用された。
地元の高校生らを招待した式典では、松本紘・理研理事長が「高い機能を生かして研究や産業に貢献し、大きな成果を残した」と述べた。最後に松本理事長らが京のスイッチを順次切っていくと、演算装置など1080台を24列に並べた京の明かりが消え、機械音が静かになっていった。理研は同じ施設内に約100倍の性能を持つ後継スパコン「
富岳
( ふがく ) 」を設置し、2021年頃に本格運用を始める予定だ。