15日、和歌山県かつらぎ町のブドウ畑で、シャインマスカット約100房(約30万円)を盗んだとして、紀の川市に住む68歳の農業の男が逮捕された。男は容疑を認めているというが、最近、こうしたフルーツを狙った盗難被害が相次いでいる。
栃木県佐野市では、7月25日から今月5日までの間にビニールハウスから収穫前のシャインマスカット約400房、被害額約80万円が盗まれた。山梨県では14日、甲斐市のブドウ畑でシャインマスカット1890房、被害額141万円、15日には山梨市でシャインマスカット約400房、被害額約40万円が相次いで盗難に。岡山県久米南町では9日、7月17日の夕方から翌朝までの間に、ビニールハウスからシャインマスカット約200房、40万円相当を盗んだ疑いで、倉敷市の42歳の無職の男が逮捕されるなど、シャインマスカットの盗難が後を絶たない。
シャインマスカット以外にも、福岡県うきは市の梨農園では7月、人気品種「幸水」が盗まれ、その数は約5000個、被害額は約200万円。この農園では2025年も約6000個の梨が盗まれ、従業員に給料が払えず、会社は倒産。個人事業主として再起を図っていた中での被害だった。また、佐賀県伊万里市では今月4日、ブランドいちご「いちごさん」の苗、約2000株が盗まれた。
増え続ける果物の盗難。昔からある犯罪だが、ここ数年、手口が大きく変わってきているという。
「1件あたりの被害額が大きくなり、単価の高い果物が狙われている。単独犯による犯行もある一方、全国各地で発生していることや、大量に盗まれるケースが多いことから組織的な犯罪の関与が疑われています。このような犯罪組織は最初から転売を目的としており、あらかじめ路上販売、移動販売のルートを持っているほか、ネット通販、SNSを使用した個人売買まで行っているとみられています」(犯罪ジャーナリスト)
そんな状況の中、生産者としても対策をしたいところだが、なかなか難しいらしい。
「ビニールハウスや果樹園は敷地も広く、防犯対策に限界がある。防犯カメラや見回り隊が必要になるが、それには多額の費用がかかるため十分にはできないのが現状」(同)
個々の農家だけでは対応は難しく、今後はさらに自治体や警察、JA(農業協同組合)が加わった対策が進められていくことが望まれる。