千葉豪雨、令和3度目の浸水「繰り返されるのはつらい」…河川の流下能力を高める拡幅工事中、熊谷知事「加速しないと」

千葉県大網白里市は13日の豪雨でJR大網駅周辺が広範囲に浸水し、2019年10月の大雨、23年9月の台風13号に続き、令和に入って3度目の浸水被害となった。市内では17日にようやく冠水が解消され、18日時点で確認された住宅などの被害は203棟に達する。住民からは「浸水が繰り返されるのはつらい」と嘆きの声が上がる。(千葉支局 戸田光法)
「大網には愛着があるが…」
「店内は80センチ浸水した。これまでで一番ひどい」。同駅から北に約700メートル離れた県道沿いでラーメン店「みたけ」を営む池田経雄さん(73)は、泥水をかぶった店内にため息をつく。厨房(ちゅうぼう)機器は全て使えなくなり、壁も泥まみれ。連日、家族と片付けに追われ、店の再開は早くて来月上旬になる見込みだ。
池田さんにとって、浸水被害は今回で3度目。19年の大雨では厨房機器がほぼ全滅し、23年の台風では経営する2店舗が浸水した。度重なる被害に負けず、地域で親しまれる店を守ってきた池田さん。「大網には愛着があるが、何度も浸水が続くとつらい……」と言葉を詰まらせる。
13日夜、同駅周辺では短時間で猛烈な雨が降った。気象庁のレーダー解析では、同市の1時間の最大雨量は125ミリ。同駅近くで約20年間居酒屋を営む女性(76)は「午後8時頃、営業中の店内に水がどっと入り、あっという間に胸までつかった」と証言する。駅周辺は低い地形のため過去にも被害が相次いでおり、市は、駅を挟むように流れる小中川と金谷川があふれたと説明する。
住民は早期の対策を求めている。駅南側の小中川近くに住む30歳代の男性会社員の自宅は過去2回、床下浸水だったが、今回は床上浸水。「想定外の雨量だと思うが、治水工事を早く進めてほしい」と話す。
両河川をそれぞれ管理する県と市は、駅周辺の区間で流下能力を高める拡幅工事中で、18日に現場を視察した千葉県の熊谷俊人知事は「整備を加速しないといけない」と語った。
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)がSNSの写真や地形などから同駅周辺の浸水を推定すると、最大1メートル程度の浸水が発生したとみられる。大網白里市は、西隣の千葉市側の丘陵地と東側の九十九里平野との境界にあり、飯塚聡上席研究員は「大雨時には丘陵地から降りてくる水が、駅周辺の平坦(へいたん)な低地に滞留しやすい」と分析している。