大阪府茨木市の自宅で2025年3月、部下に暴行を加えて死亡させたとして、府警は27日、行政書士法人の代表だった麻田剛史容疑者(59)を傷害致死の疑いで逮捕した。2人は行政書士事務所の経営などを巡ってトラブルになっていたとみられ、府警は土下座する部下に麻田容疑者が暴行を加えた可能性があるとみて調べている。
逮捕容疑は25年3月26日夜、自宅ガレージ内で、部下の井上智憲さん(当時50歳)の頭部に多数回、暴行を加え、急性硬膜下血腫などで3日後に死亡させたとされる。「暴行は一切していない」と容疑を否認しているという。
捜査1課によると、麻田容疑者は行政書士法人を経営し、井上さんも16年から事務所で働いていた。井上さんは事務所経費の支払いに関して話し合うため、麻田容疑者宅を訪ねていたとみられる。事務所は既に閉鎖している。
麻田容疑者は当時、自ら消防へ通報し、救急隊員に「(井上さんが)土下座をして頭を床に打ち付けた」と説明していたという。府警は、土下座している井上さんに麻田容疑者が暴行した可能性もあるとみて、トラブルの詳細や詳しい経緯を調べている。
井上さんと同居していた父親が24日、毎日新聞の取材に応じ「いまだに何があったのかわからない。真相を知りたい」と語った。
事件があった日、井上さんはいつも通り「行ってきます」と家を出た。その後、警察から「息子さんがけがをした」と連絡があり、病院へ駆けつけると、井上さんは既に昏睡(こんすい)状態で、そのまま意識は戻らなかった。頭の傷について医師は「自分でつけられるものではない」と説明したという。
一方で、事件前から異変は感じていた。24年秋ごろから、自宅に催促状が届くように。不審に思って問い詰めたが、井上さんは黙り込むだけで詳細は分からなかったという。父親は「相談に乗ってあげれば良かった」と肩を落とした。【大坪菜々美、安徳祐】