財務省は31日、2027年度予算編成に向けた各省庁からの概算要求を締め切った。一般会計の要求総額は143兆円超に達する見通しで、26年度要求額(122兆4454億円)を大幅に上回り、4年連続で過去最大を更新する。補正予算に頼ってきた恒常的な施策を当初予算へ一本化したほか、要求上限を設けない新たな投資枠を創設したことで、歳出圧力が一段と強まった。
概算要求では、危機管理や成長分野への投資に充てる「強く豊かな日本」投資枠を新設し、要求上限を撤廃した。金額を示さない「事項要求」も認めた。政策の予見可能性を高めるため、これまで補正予算で対応してきた恒常的な施策を当初予算に取り込んだ。
新たな投資枠への要求は一般会計分で、政府が試算の前提とした10兆円を上回った。最も大きい要求額の経済産業省は4兆5250億円だった。金利上昇を背景とした利払い費の増大で国債費も膨らんだ。この結果、事項要求を除く要求額は、26年度当初予算に25年度補正予算額を加えた合計額140兆6126億円を2%程度超えた。
財務省以外で要求額が最も大きい厚生労働省は、過去最大の36兆5803億円。防衛省は前年度とほぼ同水準だが、安全保障関連3文書の改定を年末に控え、多くの項目を事項要求とした。安全保障環境が不安定化する中、防衛力強化に向けた議論が注目される。
財務省は、国債の利払いや返済に充てる国債費として、26年度予算から5兆3628億円増となる過去最大の36兆6386億円を要求。想定金利を年3.0%から3.8%へ引き上げたことが響き、利払い費が膨らんだ。
片山さつき財務相は25日の記者会見で、「成長にしっかり貢献するもの、民間投資の誘発効果があるということが当然の条件だ」とした上で、厳しく査定する考えを表明。「責任ある積極財政の下、強い経済の構築と財政の持続可能性を両立、一体的に実現したい」と述べた。年末の予算編成に向け、財政規律を維持しつつ、どこまでの歳出規模を確保できるかが焦点となる。 [時事通信社]