医学分野で最も権威ある科学賞の一つとされるラスカー賞の基礎医学研究部門に選ばれた柳沢正史・筑波大教授(66)が10日、同大で記者会見した。日本人の受賞は2014年以来で、「睡眠の基礎研究がやっと日の目を見る時代になった。受賞を契機として、もっと研究が盛り上がってほしい」と話した。
柳沢氏は1998年、重要な睡眠制御因子のオレキシンを発見。オレキシンを欠損させたマウスが、突然眠り込む睡眠障害「ナルコレプシー」に似た症状を示すことなどを突き止め、睡眠と覚醒のメカニズム解明に大きく貢献した。研究成果は、オレキシンの働きを利用した治療薬の開発にもつながった。
受賞について柳沢氏は「非常にうれしい」と喜ぶ一方、「そもそもなぜ眠らないといけないのかという根本的な謎は誰にも分かっていない」と指摘。「私が現役のうちに誰かが解明してほしい」と研究の進展に期待を寄せた。
一方、血友病Aの治療薬「ヘムライブラ」を開発し、臨床医学部門に選ばれた中外製薬の研究者3人も同日、東京都内で記者会見した。元シニアフェローの服部有宏さん(66)は「創薬は大変やりがいのある仕事。若い研究者の皆さんにはぜひ挑戦してほしい」と述べ、次世代の研究者にエールを送った。 [時事通信社]