バリケードをすり抜け閉山後の富士山へ。例年後を絶たない危険な登山を防ぐため、登山道の封鎖がさらに強化されました。地元では救助費用の有料化を巡る議論も加速しています。
【画像】3重に強化したバリケード 新たに人感センサーも設置
富士山“危険な登山”対策強化
夏山シーズンが終わって初の週末を迎えた富士山。山梨県側の吉田ルート5合目は、天候に恵まれました。
千葉県から来た人
「この1カ月ずっと雨だったので、上に登ってきて、今すごく晴れているので気持ちがいい」
登山者の玄関口までは閉山期でも楽しめますが、毎年絶えないのが…。「通行止め」と書かれた看板の横を通り抜ける人や…バリケードを突破し、“危険な登山”を強行する人がみられます。
「別に自由でしょ、移動は。憲法で保証されてるんじゃない?」
閉山期は、県などが管理する登山道は通行禁止となり、違反者は、拘禁刑、または罰金が科される可能性があります。
山小屋や救護所も閉鎖されますが、過去には救護所の窓が割られ、何者かに侵入された例などもありました。
12日、登山道の入り口は、これまで2重だったバリケードが、今回は3重に強化されていました。さらに、関係者が通ると、いきなり音声が流れました。新たに人感センサーも設置し、登山道からの退去を促します。
救助ヘリ有料化議論も加速
ここまで厳重にする理由は、毎年、富士山での閉山期の遭難事故が後を絶たないからです。
去年も13件の事故がありました。こうしたなか、地元自治体で議論が加速しているのが、閉山中のヘリ救助の有料化です。
静岡・富士宮市 須藤秀忠市長
「法を破って遭難してなんとか助けてくれと言われ、費用は行政持ちだという考え方をもたれては困る」
山梨・富士吉田市 堀内茂市長
「助けてくださいと呼ぶのはいいけど、助けに行く側も命がけ」
ヘリを使った救助にかかる費用は1回で約60~80万円。これは公費、すなわち市民の税金などでまかなわれます。
静岡県警の山岳遭難救助隊に35年間勤めた名倉健児さん(70)は、閉山期の富士山の厳しさをこう話します。
「気圧が低くなると、20~30メートルの風が常に吹くような状態になる。風が強くて雪が積もらない。氷の状態になってしまう」
真冬になれば、気温がマイナス20℃を下回ることも多い富士山。
危険な登山で救助を有料化することについて、名倉さんは…。
「遊びで山に登って自治体のヘリコプターで税金を使って救助することが問題になっている。遭難の救助は自己責任ということになっているものですから、自分のお金で救助してもらうということが大変重要じゃないかと思っています」
(2026年9月13日放送分より)