道路予算を「カットした」と発言して批判を招いた自民党の簗(やな)和生前農相。更迭されたものの、「政治とカネ」の疑惑も浮上しており、県内からは「議員辞職すべきだ」との声も出ている。【仙石恭、藤田祐子、白川徹】
2024年と26年の衆院選で、簗氏の陣営が支持者をシャトルバスで無料送迎した問題に加え、24年衆院選を手伝った女性が「投票呼びかけの電話で報酬をもらった」と証言したことも新たに発覚。いずれも公職選挙法に抵触する可能性があり、説明責任を果たすことが求められている。
予算削減で名指しされた那須烏山市の市議は「地元はみんな怒っている。国会議員としての適性がなく、ただちに議員辞職すべきだ」と訴えた。かつては簗氏を支持した地方議員も「公選法の問題も出ており、農相辞任だけでは済まない」と議員辞職を求めた。
2月の衆院選で栃木3区は、簗氏と自民党籍があり無所属新人の渡辺真太朗氏が争う保守分裂選挙となった。予算削減に言及された那須烏山市、那珂川町のほか、大田原市の首長が渡辺氏を支持した。
その大田原市の相馬憲一市長は、15日の定例記者会見で「政治的信念の違いはあれど、地元選出の農相として期待していたので残念。(予算カット発言は)納得しかねるところが多く、説明責任を果たしてもらいたい」と求めた。信頼回復に向けて「地元で記者会見し、きちんと答える形が必要だ」と話した。
衆院栃木3区の自治体への取材に基づき、簗氏が言及したとみられる道路に関する「社会資本整備総合交付金」と「防災・安全交付金」について、国からの交付額合計を25年度と26年度で比べると、那須烏山市と那珂川町のみ減額されている。一方、大田原市や、首長が簗氏を支持した矢板市、那須塩原市、那須町は増額されていた。地元の不信感は根強く、簗氏の今後の対応が注視される。