ハロウィン前の注意喚起 仮装への「赤十字マーク」使用禁止
日本赤十字社(日赤)は、10月末のハロウィンを前に「赤十字マーク」の本来の意味と重要性について、理解を呼びかけています。
例年ハロウィンでは、仮装のナース服などに「赤十字マーク」が使用されている例が見受けられますが、日赤によりますと、「赤十字マーク」は病院や医療を象徴するマークではないということです。
「赤十字マーク」は、紛争時に攻撃してはいけないものを表す目印であり、命を守るための大切なマークと説明しています。
そのうえで「赤十字マーク」の使用は、法律で定められた組織に限られているとして、仮装のナース服などに使用しないよう呼びかけています。
「赤十字マーク」が持つ本来の意味と法律上の役割
日赤は、このマークについて次のように説明しています。
紛争などで傷ついた人々と、その人たちを救護するための医療活動や赤十字の救護員・施設などを攻撃から守るために使用するマークです。
マークを掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならないという約束があります。
この約束は、国際的な取り決め「ジュネーブ条約」(国際人道法)で厳格に定められています。
一方、マークの寸法や形、色などの様式は、厳密には定められていません。
紛争など混乱の最中では、常に正確なマークを描けるとは限らないためです。
規格を細かく定めると、寸法や形、色の濃淡がわずかに異なることを理由に、攻撃される可能性があるといいます。
不適切な使用が招く危険性と禁止用途の具体例
日赤は、マークが日頃から不適切に使用されて世の中に氾濫すると、マークに対する理解を誤ることになると指摘しています。
その結果、紛争時に傷病者や赤十字の救護員・施設などを適切に保護できなくなるおそれがあるとしています。
戦時以外でも、使い方はジュネーブ条約や国内の法律によって厳格に定められています。
日本国内で使用できるのは、日赤と自衛隊の衛生部隊など、法律などに基づいて使用が認められている組織に限られます。
仮装のナース服への使用はもちろん、一般の病院や商品につけることも法律で禁止されています。
使用できない用途の例は、次のとおりです。
色違い・形違いなどの「類似マーク」も使用不可
赤十字に類似したマークも、使用が制限されています。
十字の色は、赤色だけでなく赤色系統であれば類似となります。背景も、完全な白色でなくても白色系統であれば類似です。十字が傾いているものや、長さや形状を変えたものも類似となります。
日赤は、人々が見て「これは赤十字のマークかな?」と思うようなマークは、類似したマークと考えられるとしています。ピンク色など赤色系統の「赤十字マーク」も、仮装には使用できません。
使用できない類似マークの例
日本赤十字社・齊藤彰彦氏からのメッセージ
日本赤十字社 国際部企画課の企画係長で、日本赤十字国際人道研究センター研究員を務める齊藤彰彦氏は、次のようにコメントしています。
「ハロウィンの仮装を楽しむ季節になりました。『赤十字マーク』は、紛争の中で傷ついた人々や救護に当たる人々を攻撃から守る、国際人道法の大切なしるしです。いざという時にマークが確かに命を守るには、平時から正しく使われていることが欠かせません。マークに込められた意味に思いを寄せ、『赤十字マーク』のない仮装で楽しんでいただければ幸いです」
赤十字マークやそれに似たデザインは、ピンク色やアレンジされたものであっても仮装での使用はNGです。今年ハロウィンを楽しむ方は、衣装のデザインを今一度チェックしてみてはいかがでしょうか。