高市首相とメルツ独首相が会談、協力推進へ三つの共同文書…サイバー抑止力向上・半導体供給網の強化など

高市首相は28日、ドイツのメルツ首相と首相官邸で会談し、安全保障や経済安保、先端技術などの協力推進に向けた三つの共同文書を発表した。半導体や蓄電池のサプライチェーン(供給網)強化や、宇宙や核融合などの技術開発を巡る連携強化で合意した。メルツ氏は、日本、英国、イタリアによる次期戦闘機開発「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」への参加に意欲を示した。
メルツ氏は昨年5月の就任後、初めての来日となった。高市首相は会談で「日独両国は戦略的認識と確固たる意志を共有する同志国だ」と訴え、メルツ氏は「協力関係をさらなる高みに持ち上げよう」と応じた。
メルツ氏は会談後の共同記者発表で、GCAPへの参加について「(日本側に)検討を行ってもらうことになった」とも言及した。
共同声明では、安保分野で外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を早期に開催することを確認した。海洋進出を強める中国を念頭に、東・南シナ海の現状を巡る深刻な懸念を表明した。
外国勢力によるSNSや生成AI(人工知能)などを使った影響工作への対策やサイバー空間での抑止力向上について、対話と協力を深めることで一致した。中国を意識してレアアース(希土類)などの輸出規制といった経済的威圧への重大な懸念を示した。
経済安保に関する共同宣言では、レアアースなどの重要原材料や、電気自動車(EV)、医薬品などの供給網強化を確認。中国など特定国に偏っている重要鉱物についても、リサイクル、備蓄などで連携を強化し、一国への依存度を低減するとした。
AIに関しては、両国の民間企業を巻き込んだ共同研究開発や安全性向上を巡る協力強化に向け、「AIハイレベル対話」の創設で合意した。