同志社・八田理事長「日本基督教団と無関係」繰り返す 辺野古転覆、教育内容への影響否定

沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、研修旅行中の同志社国際高(京都府)2年、武石知華さん=当時(17)=ら2人が死亡した事故を巡り、学校法人同志社の八田英二理事長は10月30日の記者会見で、同志社と日本最大のプロテスタント教派、日本基督教団の関わりについて「組織的に無関係」と繰り返した。教団の考えが偏った教育や事故につながったのではないかとの指摘にも、同志社側は否定的見解を示した。
教団の認可神学校
新島襄が創立した同志社は、キリスト教プロテスタントの会衆派に属する日本組合基督教会の拠点だった。戦時色が強まった昭和16年に、教会は他の教派とともに日本基督教団として統合した。
同志社は戦後、独自の教育を再建しつつ、同志社大神学部・神学研究科が日本基督教団の認可神学校となり、同教団の牧師を養成してきた。キャンパス内には教団の同志社教会があるなど、教団と歴史的に深いつながりがある。
教団では、45年の大阪万博に反対する闘争を展開した最左派の「社会派」が実権を握り、過激派とも共闘。皇室や靖国神社、沖縄米軍基地などにも反対してきた。平成18年以降は伝道を重視する「教会派」が盛り返しながら、社会派も影響力を残しているとされる。
教団京都教区の宣教基本方針は「日の丸・君が代の強制に反対する」「辺野古の米軍新基地建設に反対する」などと掲げている。
死亡した抗議船「不屈」の金井創船長は事故当時、教団佐敷教会(沖縄県南城市)の牧師だった。教団は事故直後に対策本部を設置している。
小原学長のゼミ「不屈」乗船
八田氏は会見で、キリスト教界では日本基督教団の牧師の多くが同志社出身なのは周知の事実だと問われると「教団に所属する牧師や、信者の生徒、保護者がいることは理解しているが、同志社や各設置校が教団や京都教区と組織的につながっていることは絶対にない」と語った。
教団の考え方やキリスト教精神が今回の事故の原因になったのではないかとの質問に、瀧英次常務理事は「全くない」と答えた後、「(第三者による)検証委員会の検証結果を踏まえることになる。全くないというのは撤回する」と述べた。
また八田氏は、令和2年に教団の牧師でもある同志社大の小原克博学長(当時神学部教授)のゼミ生が不屈に乗船したと認めた。「今回のこと(転覆事故)とは何も関係はなかったと考えている。教師としての活動であり、法人として言及する立場にない」との見解を示した。
抗議船の運航団体「ヘリ基地反対協議会」の抗議現場に過激派活動家がいるとの指摘に対し、同志社国際高の宿久洋校長は「承知していない」と述べた。(渡辺浩)