台風被災地再び試練 ブルーシート飛ばされ、農産物にも打撃 千葉

台風19号の通過から一夜明けた13日、千葉県内の被害状況が明らかになってきた。12日午前には市原市で竜巻とみられる突風が発生して1人が死亡し、けが人も複数出た。台風15号の爪痕が残る県南部では住宅のブルーシートが飛ばされ、被災者からはため息が漏れた。
銚子地方気象台によると、12日の最大瞬間風速は千葉市中央区40・3メートル▽勝浦市36・7メートル▽銚子市36・1メートル――で、1時間雨量は館山市25・0ミリ▽我孫子市22・0ミリ▽市原市21・5ミリ――だった。
県によると、13日午後4時現在、人的被害は死亡1人、重傷1人、軽傷19人。市原市下野で竜巻とみられる突風により横転した車から発見された男性(50)が死亡し、南房総市検儀谷(けぎや)では強風にあおられて転倒した男性(74)が頭に重傷を負った。
住宅被害は計105棟に上った。内訳は全壊9棟▽半壊23棟▽一部損壊72棟▽床下浸水1棟。市原市内は86棟(全壊9棟、半壊23棟、一部損壊54棟)で、全て突風によるとみられる。県は台風15号で半壊や一部損壊となった住宅のうち台風19号により損壊程度がより大きくなった住宅を集計し今後、公表することにしている。
停電は13日午前1時に南房総市や市原市などで最大13万8500戸に上った。停電に伴う断水も同日午後2時に君津市や南房総市など8市町に及び、約1700戸となった。
南房総、富津両市は避難指示、45市町村は避難勧告を発令。避難所は最大829カ所で、12日午後8時には最大となる約4万7000人が身を寄せた。
農林水産業への被害も県内全域で確認された。県農林水産政策課によると、被害額は不明だが、ビニールハウスの破損が船橋市や富里市など32市町村、キャベツやネギなどの露地野菜の被害が習志野市や松戸市など33市町村で確認されたほか、水産業でも木更津市や富津市などで漁港や漁船、ノリ養殖施設の被害があった。【町野幸】
館山市や鋸南町では応急処置のブルーシートが飛ばされた家が目立ち、9月の台風15号に続いて被害を受けた住民たちはやりきれない表情を浮かべた。
自宅の屋根などが壊れた同市布良の嶋田信子さん(57)は12日朝から市立房南学園に避難した。同日午後6時20分ごろには最大震度4の地震も起き、「最初は風の揺れかと思った」と話した。
13日朝に戻った自宅は新たに瓦がはがれ落ちるなど被害が拡大していたが、「前の台風に比べれば被害は軽い。精神的に参っている住民も多いと思うが、支え合って乗り越えたい」と前を向いた。
【斎藤文太郎】