大阪メトロは29日、令和6(2024)年度末までに改装する御堂筋線と中央線の15駅のうち、梅田や心斎橋など5駅の最終デザインを発表した。
昨年12月に発表した素案には「派手」「悪趣味」などの批判があり、建築家や学者ら約2万人の反対署名が提出されていた。大阪メトロは残る10駅のデザインも順次決定し、来年以降発表する方針。
他に発表されたのは、堺筋本町▽中津▽動物園前-の3駅。最終案の監修は、米ゼネラル・モーターズ(GM)のチーフデザイナーを務め、山手線や北陸新幹線の車両デザインも手掛けた奥山清行氏が行った。
織物に包まれたような空間を演出したというものの、特に批判が多かった御堂筋線の心斎橋駅は、開業時からの特徴だったシャンデリアなどの要素を生かしつつ、高級感のある内装にした。ブランドショップが集積する周辺地域の雰囲気と連動させたという。残る4駅も素案より比較的落ち着いたデザインとなった。
昨年末の素案は、社内チームが中心となり作成。個性的なデザイン案としていたが批判が相次ぎ、外部の意見を取り入れようと奥山氏を招へいしたという。
河井英明社長は「素案はデザインの完成度としてまだまだだったが、多くの意見をもらえたことは結果的には良かった」と述べた。当初から素案と最終案の2段階の策定を予定していたため、改装計画全体の費用(300億円)に変更はないとしている。