炭鉱跡「赤毛のアンの町」30年の歴史に幕 地元「踊らされた」 北海道

北海道芦別市のテーマパーク「カナディアンワールド公園」が20日、1990年7月の開園以来、約30年の歴史に幕を閉じる。開園時は30近くあった展示販売施設は現在、美術館など3、4カ所に激減しており、関係者は「閉園状態が長年続き、施設の老朽化が進んだため」と説明している。
同公園は三井芦別炭鉱の閉山を控え、「炭鉱から観光のマチへ」をキャッチフレーズに開園。第三セクター「星の降る里芦別」が事業主体となって総工費52億5000万円を投じ、約46ヘクタールの敷地にカナダ人作家の小説「赤毛のアン」の世界を模した白い教会や学校などを再現した。
2年目の91年(27万3000人)に年間入場者数のピークを記録したが、当初目標の60万人に届かなかった。同社は2007年に破産し、負債約34億円は同市が26年まで20年間にわたって「肩代わり返済」する事態となっている。同パークは99年から市営公園として再出発したが、市によると、屋根のトタンが外れるなど安全性に問題があるという。
一方、市営公園としての閉園を2週間後に控えた5日、芦別青年会議所など有志による「カナディアンワールドに花を咲かせよう」と銘打った花の種まきイベントがあった。美術館など数人の関係者が来年の運営を要望し、市は貸し出す方向で検討している。
道内では同パークが開園した時と前後して、グリュック王国(帯広市)や登別伊達時代村(登別市)など観光レジャー施設がオープンした。同パークの失敗について、芦別市の元幹部は「バブル経済の下、国のパーク政策に踊らされた結果」と指摘。元市議は「本来のテーマの星の降る里のイメージではなく、大手デベロッパーの主導で赤毛のアンにすり替わった。芦別の風土、気質に合う内容でなかった」と分析した。【渡部宏人】