「子ども連れOK」は、「子どもが何をしてもいいというわけではありません」――ある育児誌に掲載された「お願い」の文章がツイッターで話題を集めている。
「食べ物を持ち込まない、替えたオムツは持ち帰る」などマナーを守るよう呼びかける内容だが、なぜわざわざこのような注意喚起を載せるのか。同誌編集長は取材に「きっかけがありました」と明かす。
この雑誌は、フリーペーパーの育児情報誌『ワイヤーママ熊本版』の2019年9月号。子育て中のツイッターユーザーが8月19日、「子育て雑誌、こんなことまで親に注意しないといけないなんて大変だな…。お店はもっと苦労してるんだろうなぁ」として、「ワイヤーママ編集室からのお願い」とするページの写真をアップした。そこでは、
と親への注意喚起を書いたうえで、
と編集室の思いがつづられている。
投稿は3000回以上リツイート。親に向けてマナーの重要さを説いた注意書きはツイッターで
などと反響が相次いだ。
『ワイヤーママ』は徳島で創刊され、熊本版のほか、三重版、佐賀版など西日本の一部都市でそれぞれ月1回発行。地域密着型の育児誌で、飲食店やイベント情報、子ども向け医療情報などが掲載されている。幼稚園や保育園、小児科、児童館など子育て中の親子が利用する施設で配布している。
今回話題となった『ワイヤーママ熊本版』の松田大輔編集長(38)は28日、J-CASTニュースの取材に、「掲載した飲食店を利用するにあたって『子連れOK』の言葉を都合よく解釈したり、勘違いしたりする方も中にはいらっしゃいます。そういうことがないようにと、掲載しています」と話す。
9月号の「お願い」は「子どもと一緒に行きたいカフェ」特集ページのトップにある。今号だけでなく、年1~2回ほど行う飲食店・ランチ特集の際は必ずこの「お願い」を掲載している。きっかけは、以前掲載に向けて取材しようとした際に聞いた飲食店オーナーの話だという。
こうした話は複数の店から出る。「お店側からは子どもが騒いでしまう、粗相をしてしまうのは仕方ないけれど、いけないことをしたらきちんと叱ることは忘れないでほしい」との声が多数聞こえるといい、松田さんは、
と話す。「お願い」はこのような飲食店側の要望に応える側面もある。
ただ、同編集室が「本当に伝えたい」のは最後の一文だと松田さんは言う。「きちんとルールやマナーをわきまえてお食事することで、子ども連れでランチを楽しめる環境がより広がるはずです」との一節だ。松田さんは、
と話していた。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)