堤防決壊「恐れ」周知も…長野市、住民に「発生」伝えず

長野市は21日、台風19号による豪雨で千曲川の堤防が決壊した後、住民に決壊の情報を伝えていなかったことを明らかにした。
市によると、国土交通省千曲川河川事務所から13日午前0時半頃、越水や堤防決壊の恐れがあるとの連絡があり、エリアメールや防災無線で住民に周知した。しかし、堤防決壊後の同日午前6時過ぎに、市はテレビなどで事実を把握していたが、住民に決壊発生の情報を知らせなかった。住民の救助、避難などの対応に追われていたためという。
一方、国交省北陸地方整備局は同日午前6時に「決壊」をホームページと報道機関へのファクスで発表したが、市には直接伝えていなかった。
加藤久雄市長は21日、報道陣の取材に「決壊したとの情報があった時点で事実を確認すべきだった。国からの情報提供のあり方についても相談したい」と話した。