制作したAVは3000本にのぼるという村西氏 文藝春秋
「ナイスですね~」
【動画】「全裸監督」村西とおる(70)7000字ロングインタビュー
前科7犯、借金50億円。AV監督、村西とおる氏(70)は自らの半生が描かれたドラマ「全裸監督」を得意の決めゼリフで評した。
「動画配信サービス大手のNetflixが村西氏の評伝『全裸監督 村西とおる伝』(太田出版)を原作に、山田孝之主演でドラマを制作。8月上旬に配信開始しました。テレビではタブーな演出などがウケて、海外でも話題になっています。シーズンIIの制作も発表されました」(エンタメ誌記者)
村西氏は昭和23年生まれ。百科事典のセールス、テレビゲームのリース業などを転々としたのち、当時ブームだった“ビニ本”の製作販売を始める。その後ビデオ業界に転身し、自ら監督、出演するスタイルを確立。“AV界の帝王”に成り上がった。
ドラマ化の経緯を村西氏が話す。
「打診があったのは約2年前。要望を聞かれ、『村西とおる役は福山雅治さんでお願いします』と(笑)。失礼ながら山田孝之さんのことは存じあげませんでした。完成した作品を見て、感動しましたね。日本にこんな役者がいたのかと」
原作の著者でノンフィクション作家の本橋信宏氏(63)も言う。
「AV監督という役を演じたら今後CMのオファーなどに影響が出るかもしれない。すると山田さんは『それでも演りたいんです』と言った。コンプライアンスだらけの現代。包み隠さず、人間のありのままを描いた作品が求められているのかもしれない」
〈人間まるだし。〉
こんなキャッチコピーを掲げた同ドラマ。だが一方で“まるだし”とは言い難い部分もあるという。ドラマ関係者が証言する。
「配信に先立ち、出演者や制作陣へのインタビューを行いました。しかしNetflixを通したオフィシャルな取材では、村西さんは一切露出していません。村西さんが表紙の『全裸監督』の書影を記事に使用することも禁止したのです」
村西氏本人は「あくまで私は原作本のモデルなので、私とタイアップする必要はないのですよ」と理解を示すが……。
「村西さんは昔から過激な発言で知られ、最近もTwitterで『男が悪い、に美人がいないのが悩ましい』と呟くなど“村西節”は健在。敵も多く、Netflixとしてはリスク回避のため“村西色”を薄めたかったのかも」(代理店関係者)
書影の使用を禁止したことなどについて、Netflix宣伝担当は「コメントは控えさせていただきます」と回答した。
モデルまるだし、とまでは至らなかったようだ。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年9月5日号)