京都市左京区の叡山電鉄鞍馬駅前に鞍馬山の天狗(てんぐ)伝説にちなむ顔のモニュメント、2代目「大天狗」(高さ4メートル、鼻の長さ2・5メートル)が新設され18日、完成披露式があった。
初代「大天狗」は平安遷都1200年記念として1994年、地元自治会が制作した発泡スチロール製。2002年に鞍馬駅前に移設され、観光客の撮影場所などとして親しまれてきたが、老朽化もあって17年1月には雪の重みで鼻が折れ、ワイヤでつるなどして修復した。叡山電鉄は鞍馬線開通90周年記念事業として代替わりを決め、沿線の京都精華大マンガ学科キャラクター・デザインコースの学生からデザインを公募し、2代目を繊維強化プラスチックで作製。鼻に鉄筋を入れるなどして雪対策も施した。
叡山電鉄の豊田秀明社長は「昨年は台風の影響で52日間の部分運休を余儀なくされるなど、災害の多い地域を走る鞍馬線を新たな大天狗にも見守ってもらい、100周年を迎えたい」とあいさつ。漫画家で制作協力した京都精華大の竹宮恵子前学長は「学生がストーリー性のある新たな天狗像を形作ってくれた。漫画という新たな文化が鞍馬という古い土地とコラボできるのは幸せ」と話し、関係者による除幕式に臨んだ。
初代も鞍馬線が全線開通して90年となる12月20日まで安置され、それまでは2体で乗客らを迎える。【矢倉健次】