台風19号の被災地で、避難生活の長期化が避けられない見通しとなっている。寒さが本格化する中、被災者の健康維持を最優先に、きめ細かな支援が求められる。
11都県の約4000人が、避難所となった学校の体育館や公民館で、不自由な生活を強いられている。福島、長野、宮城県などで避難者が多い。朝晩の気温は10度前後まで下がり、今後はさらに冷え込みが厳しくなる。
被災者の体力の消耗が心配だ。避難所生活では、ノロウイルスやインフルエンザなど感染症のリスクが高まる。福島県内ではインフルエンザの患者が増えている。マスクの着用やこまめな手洗いなど衛生管理を徹底してほしい。
高齢者や持病がある人は、体調を悪化させやすい。看護師や保健師が避難所を巡回し、症状を見逃さないことが重要だ。長引く避難生活が原因で、命を落とす災害関連死を防がねばならない。
一部の避難所では、定員を大きく上回る被災者が集まっている。過密状態での生活はストレスとなる。カーテンで間仕切りを設ける。着替え用のテントを設置する。自治体には、プライバシーを確保する措置を講じてもらいたい。
避難所から、浸水した家屋の片付けに通う人も多い。被災から10日が過ぎ、疲れもたまっていることだろう。現地では、乾いた泥が土ぼこりとなって空中を舞っている。元気な人でも、呼吸器疾患や結膜炎を引き起こしかねない。
過酷な環境で、被災者の助けになるのはボランティアだ。復旧には時間がかかる。多くのボランティアが、途切れることなく被災地で活動することが望まれる。
今後は、被災者の住居の確保が焦点となる。多くの被災自治体はまず、公営住宅を使う方針で、入居受け付けを始めた。民間賃貸住宅を自治体が借り上げて仮設住宅として提供する「みなし仮設」の制度も活用したい。
仮設住宅が被災者の自宅から離れたところに位置するケースもある。片付けや子供の通学などが理由で、自宅近くに住むことを希望する人は少なくない。自治体には柔軟な対応が欠かせない。
仮設住宅への入居には、
罹災
( りさい ) 証明書が必要となる。自治体職員による現地調査に基づいて出されるが、過去の災害では発行の遅れがたびたび指摘されてきた。
航空写真を活用したり、他自治体から応援職員を派遣してもらったりして、手続きが滞らないようにすることが大切である。