秋田県産の日本酒の特徴などを発信するため、フランスの記者2人が23日から県内各地で取材している。25日まで滞在し、主に蔵元を訪れる予定。両記者は「秋田の日本酒の奥深さを取り上げたい」と意欲的だ。
取材者はワイン専門の月刊誌「ラ・レヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス」のアレグザンドル・ヴァンティエ記者(36)と全国紙「ル・フィガロ」のヴァランタン・パコ記者(38)。ともに初めての来県で、これまで三重県などの蔵元を取材した経験があるという。
この日は、日本酒を輸出する商社の関係者らと純米大吟醸「福八」を造る大森建設(能代市)や「高清水」の秋田酒類製造(秋田市)の2カ所を訪問した。
秋田酒類では酒蔵「仙人蔵」の仕込み部屋や昔の酒造りに使われた道具を見学し、既にフランスに輸出している純米吟醸酒「加温熟成解脱酒」など日本酒5種類を試飲。香りなどに影響する米(こうじ)の量などについて、同社の古木吉孝常務に質問していた。
両記者は24日から「雪の茅舎(ぼうしゃ)」の斎彌(さいや)酒造店(由利本荘市)など4カ所の蔵元なども取材する予定。ヴァンティエ記者は「醸造の背景などを知りたい」。パコ記者は「秋田の(蔵元が持つ)伝統的で挑戦的な姿勢を(記事で)アピールしたい」と話していた。ル・フィガロは12月、ラ・レヴュー・デュは20年2月に記事を掲載するという。
今回の取材は、県が17年度からパリを対象に県産の日本酒や食品の輸出を促進する取り組みの一環として企画、北都銀行の委託で実現した。
県秋田うまいもの課によると、現在は12の蔵元と食品加工業3社が、飲食店などを格付けした「ミシュランガイド」で三つ星を獲得した現地飲食店など49店と取引している。同課の担当者は情報配信を通じて「販路拡大と知名度向上につなげたい」と話していた。【中村聡也】