千葉市緑区
誉田
( ほんだ ) 町で25日午後1時15分頃、土砂崩れが発生し、住宅2棟が倒壊した。1棟から60歳代女性が意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。千葉県警はこの住宅の家族5人のうち、40歳代の女性と連絡が取れていない。
住宅は電線を巻き込み、道路をふさぐように倒れた。夜間になっても救出作業が続いた。近所の女性会社員(46)は「近くで土砂崩れが起きるとは。よく使う道なので不安だ」と話した。
同区板倉町でも午後1時半頃に土砂崩れがあり、住宅1棟が倒壊し、遺体が発見された。住人の60歳代の男性と連絡が取れず、県警が身元確認を進めている。
千葉県内では夕方から夜にかけて、水による犠牲者がいたことも判明した。長柄町の一宮川では、車ごと川に流されたとみられる男性(88)が死亡。親族から「行方が分からない」と町役場に連絡があり、消防隊員が車内に残った男性を発見し、病院で死亡が確認された。
隣接する長南町では、冠水した道路に止まっていた軽トラックの近くで、町内の男性(81)が死亡しているのが見つかった。町によると、男性は親族の家に向かう途中、冠水で立ち往生したとみられる。
県内では、8河川で氾濫が確認された。市原市を流れる養老川沿いに自宅と実家がある同市牛久の女性会社員(43)は、台風15号で実家が雨漏りし、19号では電線が被害を受け、今も停電が続く。「今度は大雨。夜通し警戒しないといけない」と話した。
同市牛久の南総公民館では一時、養老川流域の住民ら約270人が身を寄せた。女性(75)は「自然のご機嫌はとれないし、家にいるのは不安なので」と話した。
県は同日、2か所のダムで緊急放流を検討したが、水位が下がり、夜に見送りを決めた。