千葉で記録的大雨=死者4人、河川氾濫も―台風被災地でも警戒

四国沖から北東へ進んだ低気圧と、関東の南東海上を北上した強い台風21号の影響で、25日は千葉県で記録的な大雨となった。同県の大半と宮城、山形、福島、茨城各県の一部に土砂災害警戒情報が出され、気象庁は河川の氾濫や増水、低地の浸水とともに厳重に警戒し、安全を確保するよう呼び掛けた。千葉、福島両県では複数の河川の氾濫が確認され、千葉県では土砂崩れなどで4人の死亡が確認された。
低気圧は25日夜には関東付近を北上し、大雨の中心は東北の太平洋側に移った。東北は26日午後6時までの24時間雨量が多い所で150ミリと予想される。台風19号による豪雨で堤防が決壊するなどした場所では、少しの雨でも浸水被害などの恐れがあり警戒が必要。
千葉県には低気圧と台風21号の湿った風が合わさり、25日朝から午後まで激しい雨が降り続いた。鴨川市では午前10時15分すぎまでの1時間雨量が85.5ミリの猛烈な雨となり、この地点の観測史上最多を記録。千葉市や八街市の付近では、午後1時半までの1時間雨量が約100ミリとの記録的短時間大雨情報が発表された。
千葉県によると、大津川(柏市)や都川(千葉市若葉区)など7河川7カ所で氾濫が確認された。県は、養老川の高滝ダム(市原市)と小櫃川の亀山ダム(君津市)で貯水量が増加したため緊急放流を一時検討。ただ、その後水量が下がったため放流は見合わせた。福島県いわき市でも河川の氾濫が確認され、南相馬市の高の倉ダムでは緊急放流を実施した。
千葉県警などによると、千葉市緑区では土砂崩れにより2カ所で住宅が倒壊。60代女性1人と男性1人が死亡し、ほかに1人と連絡が取れていない。同県長柄町では、80代男性が河川の氾濫で車ごと流され、下流で発見されたが死亡。長南町では、冠水した道路に止まっていた軽トラック付近で80代男性が死亡しているのが発見された。
千葉県を中心に関東や東北地方各地で避難指示や勧告の発令が相次いだ。
台風21号は25日午後9時、温帯低気圧に変わった。
[時事通信社]