人気漫画「ちびまる子ちゃん」の作者で昨年8月に亡くなった静岡市清水区出身の漫画家、さくらももこさんが飼っていたカメが、家族から5月に寄贈を受けた静岡県河津町の爬虫(はちゅう)類・両生類動物園「iZoo(イズー)」で、体内に卵が確認された。
同園によると、絶滅危惧種のリクガメ「ビルマホシガメ」の12歳の雌で体長約30センチ。さくらさんが「カメミ」と名付け、2012年から自宅で飼育。没後に家族が同園に飼育を依頼した。
カメミを受け入れた直後、別の個人から同種カメの雌雄ペアの寄贈があり、同園は3匹を同じコーナーで展示飼育。ペアの雌が今月上旬に卵を7個産み、雄と交尾したカメミも後ろ脚で土を掘るなど産卵の兆候を見せたため、26日にレントゲン検査。体内に4個の卵を確認し「おめでた」と発表した。
同園は近日中に産卵するとみている。カメミにとっては初産になる。産まれた卵はふ卵器に移し、3~5カ月でふ化するという。
飼育員の渡部那智さんは「さくらさんが育てたカメの2代目が生まれたら楽しい。確実に子孫がつながっていけばいい」と話した。【梁川淑広】