千葉県船橋市や千葉市など県北西部と東京都内を中心に、美容室やペットサロンではさみの訪問販売と修理をしている。美容はさみ製造販売「グリーンマウス」(同県鎌ケ谷市)から独立した丸井教彰(のりあき)さんが昨年4月に創業した。屋号の「マル・ファンタジア」は、2014年から始めたボランティア活動でふんしているキャラクターからとった。
約50種類のはさみを扱う。美容師の手の大きさや癖などによって合うはさみはそれぞれだ。刃を触ると、その美容師がどのように使っているか分かるという。
「はさみは生き物」と話す。新品のはさみを「20代の若者」に例え、人が年を取って体に無理が利かなくなるように、はさみも使い込んでいくうちに変化する。その時の状態に合った使い方をするようにアドバイスしている。刃は研いでいくと細くなっていくが、「今のはさみを少しでも長く有効に使ってほしい」と思うから。大事にするのがコミュニケーションだ。相談を受けることも多く、アナログな対面営業にやりがいと面白さを感じている。
代表を務めるボランティア団体「ワンステップ」では、船橋市と千葉市の児童養護施設でヘアカットのボランティアをしている。同団体は12年に美容師の情報交換などを目的に設立したが、「社会貢献もしよう」と活動を始め、現在は約30人の美容師が参加している。子どもたちに喜んでもらおうとプロレス用のマスクをかぶった。カットだけでなく、一緒にゲームやおしゃべりも楽しむ。
グリーンマウスから独立したのも、活動との両立が理由の一つだ。モットーである「継続はチカラになり、カタチになる」の言葉を胸に活動を続けている。【小林多美子】
マル・ファンタジア
事務所=八街市勢田824の26▽2018年創業▽従業員=1人