二階、岸田氏続投へ=安倍首相、安定優先で政権「骨格」維持―内閣改造

安倍晋三首相(自民党総裁)は11日に行う内閣改造・党役員人事で、二階俊博幹事長と岸田文雄政調会長を続投させる方針を固めた。麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官と合わせ、政権の「骨格」はそろって留任。安定を最優先した布陣で、長期政権の総仕上げを目指す。複数の政府・自民党関係者が4日、明らかにした。
二階氏は2016年8月、自転車事故で負傷した谷垣禎一前幹事長の後任として、幹事長に就任した。17年10月の衆院選や今年7月の参院選を陣頭指揮して連勝。首相の党総裁連続3選を可能にする党則改正を主導し、最近も総裁4選論に言及するなど、一貫して政権を支えている。先月3日には連続在職日数が歴代最長となった。
党内では、80歳という高齢に加え、在職期間が3年を超えることから、交代を求める声が出ていた。このため、首相サイドでは二階氏を副総裁に起用する案も取り沙汰された。しかし、首相は二階氏の交代で政権が揺らぐ事態を避け、安定を重視する考えに傾いたとみられる。
岸田氏は12年12月の第2次安倍政権発足時から4年半余り外相を務めた後、17年8月に政調会長として初の党四役入り。岸田派は今回、「ポスト安倍」の地固めに向け、幹事長への「昇格」を期待したが、二階氏の続投に合わせ、岸田氏も留任の方向となった。
首相は4日、岸田派会長の岸田氏、細田派会長の細田博之元幹事長と首相官邸で相次ぎ会談。内閣改造・党役員人事をめぐる調整を続けた。
一方、公明党は5日の党会合で、山口那津男代表に内閣改造への対応を一任する。首相がロシア極東ウラジオストクでの「東方経済フォーラム」から帰国する6日にも、同党の入閣要望を伝える考え。党内では、石井啓一国土交通相の続投論があるほか、交代する場合には後任に石田祝稔政調会長の名前が挙がっている。
[時事通信社]